支援センターに100億円投資、シスコが新サポートプログラム

2003/3/19

 シスコシステムズは、IP電話と企業システムの統合を手がけるパートナー企業向けのサポートプログラムを、3月20日に始めると発表した。合わせてパートナー支援のための施設「AVVIDソリューションセンター」を約100億円かけて開設。シスコの取締役 吉野孝行氏は新しいサポートプログラムや支援施設の開設を、「シスコが日本市場に対して再び投資を開始するというメッセージだ」と説明。「よりいっそうの投資で、日本企業に対して生産性向上の具体的なソリューションを提供したい」と述べた。

 サポートプログラムは、システム・インテグレータ(SI)やISV向けの「デベロッパサポートプログラム」と、ハード、ソフトベンダ向けの「AVVIDパートナープログラム」。デベロッパサポートプログラムは、シスコのコール処理コンポーネント「CallManager」を、IP電話のアプリケーション開発をしているパートナー企業向けに公開する。対応するプロトコルはH.323とSkinny。Webサイトや電子メール、電話でサポートも提供する。プログラムは有償で、シスコでは年間2000ドル程度の価格を想定している。

シスコシステムズのアライアンス&テクノロジーローカライゼーション部 部長 大熊秀明氏。会見ではシスコのIPテレフォニーシステムを導入したJR東日本情報システムのデモも行われた

 AVVIDパートナープログラムはハード、ソフトベンダのマーケティングを支援するプログラム。第三者機関の検証テストに合格したIP電話対応のハード、ソフトに対して、シスコがベンダとの共同マーケティングを実施する。具体的にはシスコのWebサイトでの製品紹介やセミナーでの紹介など。導入企業に対する共同サポートも展開する。検証テストに合格した製品に対しては、シスコが認定ロゴの使用を認める。

 シスコのアライアンス&テクノロジーローカライゼーション部 部長 大熊秀明氏によると、すでにAVVIDパートナープログラムがスタートしている米国では、IPコミュニケーション関係で40以上のIP電話機や対応ソフトが認定ロゴを取得しているという。

 東京・新宿に開設したAVVIDソリューションセンターは、広さ755平方メートルあり、ルータやスイッチなど500台以上が設置されている。AVVIDパートナープログラムについての事前の検証テストやシスコ製品との相互運用性の確認などを行う。

  シスコではサポートプログラムの新設で現在、約20%というIPテレフォニー関係の市場シェアを倍増したい考え。初年度でパートナー企業、30社を獲得することを目指す。

(垣内郁栄)

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シスコシステムズの発表資料

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