「ずば抜けた性能」、Itanium 2+WebLogicの検証テスト
2003/3/26
インテルは低電圧版のItanium 2プロセッサを今年中ごろにも投入すると発表した。5000ドルから7000ドル相当のサーバをターゲットにする製品で、エントリレベルのサン・マイクロシステムズ製サーバを対抗製品としている。
コード名でDeerfieldと呼ばれる低電圧版Itanium 2は、消費電力が現行のItanium 2の約半分ながら、パフォーマンスはほぼ同じ。クロック数は1GHzで、1.5MBの3次キャッシュを搭載する。インテルが想定しているのはハイパフォーマンス・コンピューティングやアプリケーション開発向けの利用だ。
インテルのプラットフォーム&ソリューションズ マーケティング本部 エンタープライズ・ソリューションズ・グループ統括部長 平野浩介氏 |
インテルはクロック数と3次キャッシュを高めた低電圧版Itanium 2の新版も2004年に投入する予定。インテルのプラットフォーム&ソリューションズ マーケティング本部 エンタープライズ・ソリューションズ・グループ統括部長 平野浩介氏は、「ハイエンドからエントリレベルまで柔軟にItaniumソリューションを導入することが可能になる」と述べた。
また、会見ではNTTコムウェアがItanium 2を使った評価レポートを発表した。CPU単体での評価ではなくて、J2EEアプリケーションサーバを中心に実際にシステムを構築して評価。「Itanium2プロセッサによって、高性能を要求されるエンタープライズレベルのWebソリューション」を実現できるかを検証した。
評価に利用したのは3台のマシン。Itanium 2(1GHzで3MBの3次キャッシュ)を2個搭載した「hp server rx2600」(OSはhp-ux11i)と、Pentium 3(1.13GHzで512KBの2次キャッシュ)を2個搭載の「hp netserver LP2000r」(OSはRedhat Linux7.2J)、Xeon(2.8GHzで512KBの2次キャッシュ)を2個搭載した「hp ProLiant DL380G3」(OSはRedhat Linux Advanced Server2.1J)。3台とも2GBのメモリを搭載。
NTTコムウェアでは、この3台にWebLogic Server7.0をインストールし、一般的なECサイトのシステムを仮想的に構築。アプリケーションはログインから商品の選択、購入個数の決定、支払いという処理の流れにした。データベースは登録ユーザー数が1000人、商品は10万個に設定した。
評価結果によると、Itanium 2はPentium 3、Xeonに比較して処理速度で約2〜3倍の性能を発揮。利用ユーザー数を増やすなど負荷を大きくするほど、Itanium 2と、Pentium 3、Xeonの差は大きくなった。NTTコムウェアのシステム本部 SE部 IPネットワーク基盤グループ スペシャリスト 石川了一氏は「ずば抜けた性能だ。高性能を要求されるエンタープライズレベルのアプリケーションサーバとして十分通用する」とItanium 2を大きく評価した。
また、NTTコムウェアでは利用するJava VMをJDK1.3.1から、インテルのプロセッサに最適化されたBEA JRockit7.0に交換し評価。Pentium
3で30〜60%程度、Xeonで150%程度と大きく処理速度が向上したという。
NTTコムウェアでは今後もItanium 2の性能評価を行っていく予定。石川氏は「速いだけではユーザーは受け入れてくれない。速さと信頼性を兼ねそろえたのがItnium
2ではないか」と述べた。今後はアプリケーションサーバとして、Itanium 2に対応したBEA JRockitとWebLogicを組み合わせたシステムなどを検証するという。
(垣内郁栄)
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