SGIのハイエンドLinuxサーバは「よいスタート」

2003/3/4

日本SGIの代表取締役社長兼CEO 和泉法夫氏

 日本SGIの代表取締役社長兼CEO 和泉法夫氏はSGIが2月に発表したハイエンドLinuxサーバ、「SGI LX 3000シリーズ」が国内ですでに7件の受注を獲得したことを明らかにした。世界で最初に導入したのが東京大学地震研究所で、和泉氏は「Itanim 2プロセッサ、LinuxをベースにSGIらしさを生み出すことができた」と語った。

 LX 3000シリーズは1ノード最大64CPUが搭載できるサーバで、OSはIA-64 Linuxを採用している。CPUはインテルのItanium 2。拡張性が高いアーキテクチャ「SGI NUMAflex」を採用。4〜12CPUが搭載可能なモデル「LX 3300サーバ」と、1ノードで4〜64CPUが搭載できるラックマウント型の「LX 3700スーパークラスタ」がある。LX 3700スーパークラスタは、複数のノードを組み合わせたクラスタ接続が可能で、各ノード間で共有メモリを利用できる。価格はLX 3300サーバが1580万円から。LX 3700スーパークラスタが7600万円からとなっている。

 SGIによると7件の導入先のうち、多くは大学の研究機関。科学技術計算分野で使われる予定。すでにSGIのシステムを導入していて、追加でLX 3000シリーズを導入するケースが多いという。民間の研究機関でもナノテクノロジー関連で導入した場合があったという。科学技術計算分野でLinuxのハイエンドサーバが実用になるか確かめる目的で、導入する研究機関もあるようだ。

 LX 3000シリーズの世界初の導入先となった東大地震研には、1ノード64CPUのシステムと、32CPUのシステム、12CPUのシステムの計3システムが導入され、地震予知情報センターのセンターマシンとして、すでに稼働している。SGIはストレージ・システムやターミナル装置、出力装置、ネットワーク装置などのトータル・インテグレーションを行ったという。東大地震研は1999年から地震予知情報センターのセンターマシンとして、SGIの「SGI Origin 2000」を活用してきた。だが、研究所内外の研究者による観測データ解析処理や理論計算処理などの利用が増加し、より高速、大容量のシステムが必要になっていたという。

 東大地震研はLX 3000シリーズの導入に合わせて、従来のIRIXシステムで稼働していたアプリケーションを全面的にLinux環境に移行したという。和泉氏は「LX 3000シリーズは5年越しの製品。開発が2年ほど遅れたが、それが若干の猶予になって時代が追いついてきたようだ」と、“最先端”を強調した。SGIでは科学技術計算分野のほかに、製品設計や製造工程のシミュレーション、通信市場などをLX 3000シリーズのターゲットにしている。年間100システムを販売するのが目標で、SGIでは「7件の獲得でいいスタートダッシュができた」としている。

(垣内郁栄)

[関連リンク]
日本SGI

[関連記事]
日本SGI、日立、ブロケード3社連合のストレージ・グリッド戦略 (@ITNews)
「政府としてオープンソースを支援」、経産省IT産業室長が強調 (@ITNews)
Solarisアプリをhp-ux、Linuxに移行、HPが無償サービス (@ITNews)
グリッド・コンピューティングは、「われわれのコアバリュー」 (@ITNews)
サーバコンピューティング、5年後の主役の座を射止めるのは? (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)