ITサービスマネジメントの業界標準を策定

2003/4/16

 NTTコミュニケーションズやNECなど8社は、ITサービスの高品質化やコスト適正化を実現するITサービスマネジメントの業界標準の策定を推進する団体「itSMF Japan」を設立することに合意したと発表した。国際的な業界団体「itSMF」から認定を受ける予定で、ITサービスマネジメントの世界的な標準「ITIL」(IT Infrastructure Library)に対して、国内参加企業の意見を反映させるという。

 itSMF Japanに参加するのはNTTコミュニケーションズ、NECのほかに日本ヒューレット・パッカード、日立製作所、富士通、P&Gアジア・ピー・ティー・イー・リミテッド、プロシード、マイクロソフト。5月はじめにNPO(非営利団体)の申請を行い、itSMFから国際認可を受ける。

 英国に本部があるitSMFは、ITサービスについてのベストプラクティスの確立を目指す団体。itSMFが策定したITサービスのベストプラクティスは、ITILという書籍にまとめられている。具体的にはITILは、ITサービスの運用中に発生する問題やインシデントに対する管理、システム構成やリソース管理の手法、予期せぬ問題が発生した場合の対処法や可用性管理、コストの適正化、サービスレベル管理などについての手法を掲載している。

 企業はITILを適用することで、サービス提供側と顧客企業の間で、ITサービスに関する用語の定義を統一でき、ITサービスの運用や業務プロセスに関する手順を共有することができるという。提供するITサービスの品質が向上することはもちろん、ITサービスのプロセスが簡素化され、特定の個人に依存しない管理が可能になる。顧客企業はITILを基準にしてITサービスを提供する企業を比較検討することも可能になる。

 itSMF Japanは、ITIL日本語版の販売やITサービスに関わるカンファレンス、セミナーイベントを開催する。理事長にはNTTコミュニケーションズの代表取締役副社長 富田修二氏が就任する予定。ベンダやシステム・インテグレータ、ユーザー企業など広く会員を集める方針で、1年後に200会員にすることを目標としている。

(垣内郁栄)

[関連リンク]
itSMF Japan
NTTコミュニケーションズの発表資料

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