[UML Forum/Tokyo 2003開催]
U2、いよいよ登場
2003/4/17
OMG会長兼CEOのリチャード・ソーリー(Richard Mark Soley)氏 |
「UML Forum/Tokyo 2003」(オブジェクトテクノロジー研究所:OTI、オブジェクト・マネジメント・グループ:OMG共催)が4月16日と17日の2日間に渡って開催される。もちろん毎年恒例となっている「UMLロボットコンテスト2003」も行われ、活況を呈していた。
基調講演のトップバッターに立ったのは、OMG会長兼CEOのリチャード・ソーリー(Richard Mark Soley)氏。来日回数はすでに1回や2回ではすまないが、それでも講演はOMGの活動内容から始まり、UMLの基本的な解説と開発現場におけるインパクト、OMGが推進する新たな開発標準であるMDA(Model Driven Architecture)の将来性について概説した後、UML2.0の拡張機能点について触れるという“初心者向け”の内容に終始した。確かに、UMLという言葉が普及し、その機能についても知られてきてはいるが、開発現場において、UMLおよびUMLを基盤技術とした開発の流れの1つであるMDAは、いまだ啓蒙活動が必要とされる技術であることが、ソーリー氏の講演内容からうかがえた。
UMLロボットコンテスト2003で発表されたUMLモデル(クリックすると拡大) |
「UML Forum/Tokyo 2003」の1つの目玉トピックとしては、UML2.0のリリースが挙げられる。今回リリース予定のUML2.0は、大きく「インフラストラクチャ」「スーパーストラクチャ」「OCL(Object Constraint Language:モデル記述のための形式言語)」「Action Semantics」「Diagram Interchange」の5点の機能拡張が施されている(詳細はOMGのWebサイトで)。ソーリー氏は「明確な基盤(インフラストラクチャ)の上で、高度に統合された言語(スーパーストラクチャ)は、設計をより明瞭にし、製品の相互運用性をもたらすだろう」とコメント、さらに「UML2.0が達成した機能を基盤に、コードの自動生成が可能なモデル、再利用可能なモデルの構築でシステム開発に新たな時代を切り開くMDAが本格的な姿を見せる」とし、将来的なシステム開発のスタイルはすでに目前に迫っていることをアピールした。
UML2.0のリリース発表と呼応するかのように、OMGとユーエムエル教育研究所(オブジェクトテクノロジー研究所とPAの合弁会社)は同日、「OMG認定UML技術者資格試験プログラム」を2003年11月からの開始すると発表した。UML技術者のスキルの向上と規模の拡大を目指すもので、ベーシック・レベルとミディアム・レベル、アドバンスト・レべルの3段階に分かれる。試験問題は、英語版と日本語版が作成される。ユーエムエル教育研究所 代表取締役社長 近森満氏は「世界規模でUMLの資格試験が行われるのは初めてのこと」とし、初年度5000人、次年度1万5000人の合格者を目指すと意気込む。
(編集局 谷古宇浩司)
[関連リンク]
オブジェクトテクノロジー研究所
オブジェクト・マネジメント・グループ(OMG)
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