[eWEEK]
AMD CEOヘクター・ルイズ氏、Opteronを語る
2003/5/1
Advanced
Micro Devices(AMD)の社長兼CEO、ヘクター・ルイズ(Hector Ruiz)氏によると、同社は1969年の創業以来、最も重要な製品を出荷したという。ここ数年まったくなかった動きとして、AMDは最大のライバルであるインテルと明確に異なる路線をいく製品を発売したのだ。この「AMD
Opteron」プロセッサを始めとする「AMD64」シリーズチップは、32ビットと64ビットプロセッサの橋渡しとして市場に投入された。Opteronは古いx86アプリケーションとの互換性を維持しながら、最大64ビットのハイエンドの法人向けソリューションにも移行できる処理性能を有する唯一のプロセッサであるとAMDは公言する。eWEEK編集長のEric
Lundquistと編集主幹のStan Gibsonは4月初め、新製品についてカリフォルニア州サニーベールにあるAMD本社でルイズ氏にインタビューした。
――Opteronの発売はAMDにとってどのような重要性を持つと言えますか。
ルイズ氏 AMD史上最も重要な製品の発売だと思っています。
――かなり力が入ってますね。それほど重要な製品であるOpteronの成功を確実なものにするために何かされたことはありますか。
ルイズ氏 弊社が製品や技術を事前に力を入れて推奨したのは今回が初めてです。弊社はエコシステムを確実に用意しておきたかったのです。事前に時間をかけたことにより、顧客は製品について学ぶ機会が与えられ、関心が徐々に高まったのです。関係各社が提供する対応製品も完全に勢ぞろいするでしょうし、顧客もOpteronがこのうえなく利用しやすい下位互換64ビットシステムであることを認知してくれました。32ビットから64ビットへ移行するのにコードを再コンパイルする必要がないことを分かってもらえたのです。
――しかし、互換性は重要ですが、それだけでは十分ではありませんよね。Opteronはパフォーマンスの点で期待にどのように応えていくのですか。また、ソフトウェアのサポートについてはいかがでしょうか。
ルイズ氏 計算能力という観点からみた場合、Opteronがトップの製品であることはベンチマークが明らかにしてくれるでしょう。Opteronが示す値は非常に魅力的なものになるでしょう。弊社はソフトウェアコミュニティから強力なサポートを得ており、彼らを無理矢理われわれの陣営に引き込む必要はありませんでした。Opteronのサポートは彼らから望んだのです。
――公表できるところとできないところがあると思いますが、コンピュータベンダ各社の反応はいかがですか。
ルイズ氏 これまでもそうであったように、弊社に関心を示さないコンピュータベンダは1社もありません。思いつくすべてのベンダが関心を示しています。
――御社は非常に強大なライバルの影響を大きく受けていますが、インテルはOpteronにどのような反応を示すと思われますか。
ルイズ氏 インテルは今回の市場投入の重要性を全力で減殺しようとするはずです。それがインテルの本質です。しかし、インテルが何をしようとそれに耐えるだけです。弊社にとっては同製品の価値を顧客に理解してもらうことが最優先事項なのです。
――見込み顧客に説明をしていく中で最も難しい課題は何でしょう。
ルイズ氏 AMDは今回初めてこのセグメントに参入しますので、顧客はこのセグメントへ新規参入する企業の意義を知りたがります。弊社としては、1社のサプライヤ(つまりインテルなど)に運命を握られるようなことが決してあってはならないことを理解していただきたいと思います。
――マイクロソフトがOpteronに最適化されたWindows Server 2003をリリースすることを明らかにしています。御社とマイクロソフトとの関係はいかがですか。
ルイズ氏 われわれの関係には非常に満足しています。彼らはこの製品を気に入ってくれ、非常に満足してくれています。
――ではOpteron発売時には現段階で表明されている以上のサポートが集まることになるのでしょうか。
ルイズ氏 表面下ではかなりのサポートが集まっています。発売イベントはOpteronのサポートを表明するカミングアウトパーティーのようなものになるでしょう。発売時には堰(せき)を切ったようにサポートが表明されると思います。
――インテルといえばムーアの法則ですが、これがハイテク業界の基本的な原動力となってきました。業界の技術の源である同社を敵に回すことが本当に可能だと思いますか?
ルイズ氏 あれは経験則です。長期的には当てはまるようですが、現在は関係ありません。問題はこれだけあるトランジスタを使って何ができるかなのです。顧客の判断を決定付けるのはトランジスタ当たりのコストではなく、これだけある計算処理能力で何をすべきかなのです。価値をどのように得るかです。
[英文記事]
The Moment
of Truth
AMD CEO expects wide support for 64-bit opteron processor.
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