「Webサービスを実ビジネスで」、XMLコンソーシアムが検証実験
2003/5/8
XMLコンソーシアムは、Webサービス技術を利用し、情報の収集から配信までを一元管理できるシステムを構築、検証実験に成功したと発表した。今回の検証実験は、Webサービス技術が実ビジネスでいかに利用できるかを検証する目的で行われた。XMLコンソーシアムは実験の結果、「Webサービス技術がこれからのインターネット時代のインフラとして位置付けられることを証明した」としている。
日本ユニシス サービスビジネス開発本部 アーキテクチャ開発部 シニアITコンサルタント 牧野友紀氏 |
検証実験は、日本観光協会と協力することで、協会が保有する観光地や旅館など約16万件の実データを利用した。地方自治体や地方の観光協会が桜の開花状況などの情報を登録すると、自動でポータルサイトに情報が掲載されたり、携帯電話、PDAに配信されるシステムを構築した。
地方自治体によるデータ入力は、一般に利用されているマイクロソフトの表計算ソフト「EXCEL」を利用。フォームに入力されたデータは、自動的にXMLデータに変換され、集配信サーバに送信される。集配信サーバでは、日本観光協会の16万件のデータから必要なデータがピックアップされ、地方自治体が入力したデータとともにポータルサイトに配信される。ポータルサイトでは、データが自動で更新され、あらかじめ決められたレイアウトで表示される。データ入力から、利用までをWebサービスで連携させている。検証実験のプロジェクトを担当したXMLコンソーシアムの牧野友紀氏(日本ユニシス サービスビジネス開発本部 アーキテクチャ開発部 シニアITコンサルタント)は、「データを入力した自治体の思いもよらぬところに情報が配信されるのがWebサービスの特徴」と説明した。
集配信サーバは、4つのWSDLを定義。サーバは、IBMのWebsphereとオラクルのOracle9i Application Server、マイクロソフトの.NET Frameworkでそれぞれ構築。別々のサーバに搭載されているWebサービスを同一のインターフェイスで呼び出し可能なことを実証した。また、リポジトリとして、プライベートUDDIを採用。情報の種類別に各配信先のWebサービスを登録し、配信先のポータルサイトを選別できるようにした。
実証実験は、XMLコンソーシアムの12社、18人が参加して、昨年11月に開始。今年2月末には第1回の接続検証を行った。プロジェクト全体の開発時間は、1343時間で、9.6人月の工数がかかった。アプリケーション仕様の問題でWSDLの策定に時間がかかったことが課題になったという。
(垣内郁栄)
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