DB2はビジネス・インテリジェンスを変えるか
2003/6/12
日本IBMはDB2上で多次元メタデータを構築し、一括管理を可能にするDB2用のコンポーネント「DB2 Cube Views バージョン8.1」を7月25日に出荷すると発表した。構築した多次元メタデータは他社のビジネス・インテリジェンス(BI)ツールで分析させることが可能。データの作成コストや運用管理コストを削減できるという。
日本IBMのソフトウェア事業部 副事業部長 理事 安田誠氏 |
BIツールを使う場合、日々の業務情報などのデータが収められたデータウェアハウス(DWH)をベースに、分析の用途に合わせてデータを定義し、多次元メタデータを用意する必要がある。複数のBIツールを使っている場合は、そのツールごとに多次元メタデータを作成することになり、コストや時間がかかっていた。
DB2 Cube Viewsは、DB2のリレーショナルDBのデータを基に、さまざまなBIツールで利用できるキューブ型の多次元メタデータをXMLを使って作成する。XMLを採用したことで、「BusinessObjects」など主要なBIツールで分析可能になった。多次元メタデータの作成には、専用のウィザードを用意。BIの専任担当者でなくても多次元メタデータを作成できる。
個々に作成、管理していたデータをDB2 Cube Viewsで効率的に管理することで、レポート作成やデータ抽出、ドリルダウンなどBIツールのパフォーマンスが向上するという。BIツールでよく利用される分析を、多次元メタデータ作成時にDB2 Cube Viewsがあらかじめ行っておく。IBMによると、DB2 Cube Viewsを使ったBIツールのレポート作成は、DB2 Cube Viewsがない場合に比べて50%スピードアップしたという。
IBMは、DB2 Cube Viewsで作成した多次元メタデータを「Microsoft Excel」で分析できるようにする「DB2 Office Connect バージョン4.0」も同時に発表した。Excelのスプレッドシートをベースにしたインターフェイスで、BIの分析が可能。DB2 Cube ViewsとDB2 Office Connectを導入すれば、別のBIツールがなくても詳細な分析が可能になる。
価格はDB2 Cube Viewsが134万1000円から、DB2 Office Connectが4万4800円からとなっている。日本IBMのソフトウェア事業部 副事業部長 理事 安田誠氏によると、IBMはDB2 Cube Viewsの導入を検討している顧客企業に対して、期間限定でDB2 Cube Viewsを貸し出す「お試しキャンペーン」を7月に計画している。BIツールベンダとの協業も進めていて、BI市場へのDB2の浸透を図る。
(垣内郁栄)
[関連リンク]
日本IBMの発表資料
[関連記事]
オラクルの次期DBは"ブラックボックス"になる
(@ITNews)
WebSphereの新コンポーネントはMS
Officeキラーか (@ITNews)
誰でも使えるBIレポートツール
(@ITNews)
プラットホームに依存しないBIツール登場
(@ITNews)
富士通とコグノスがBIを統合、世界で販売へ
(@ITNews)
情報をお寄せください:
最新記事
|
|