R/3導入が簡単、安価に、三菱電機のR/3向けテンプレート

2003/6/18

三菱電機インフォメーションシステムズ 第二事業本部 ERP企画部 部長 藤本俊平氏(左)と同 第二事業本部 本部長 梶原良一氏(右)

 三菱電機は6月17日、「SAP R/3」向け短期導入支援テンプレート「MELEBUS(メリーバス)」シリーズに、素材型製造業向けテンプレートと製造業向けの会計特化型テンプレートを追加したと発表した。出荷は11月1日。ターゲットは、中小規模企業を対象としている。

 素材型製造業向けテンプレートは「MELEBUS-Mill Products」で、グレード、製造条件、色、サイズなどが異なる製品群を管理し、受注時の製品特性の簡易入力や製品特性別工程ロット管理、製品特性別在庫管理などを考慮した業務シナリオを実現できる。

 製造業向けの会計特化型テンプレートは「MELEBUS-acct」。財務会計の業務シナリオを拡充した、SAP R/3 Enterprise対応のテンプレートで、キャッシュフロー管理業務などが利用可能。連結会計への対応は、次期バージョンで行う予定。

 SAP R/3の新規導入やアップグレードの時間短縮、費用削減を図る目的で、SAPパートナーは、それぞれが得意とする業種向けの導入支援テンプレートを開発しているが、それでも業態や導入目的によって、標準的なパラメータ設定の内容には違いが生じてしまう。このことは、早期導入、コスト削減を目指す中小規模企業にとっては、SAP R/3導入をさまたげる敷居の高さを感じさせる。エンタープライズ規模の企業を主要ターゲットにしてきたSAPが市場拡大を目指すうえでも、中小規模企業の開拓は日本市場攻略には必要な措置なため、SAPジャパンでは、2月にパートナー企業9社と共同でmySAP.comソリューションをベースにした中堅企業向けの業種別ソリューション・テンプレートを販売すると発表するなど、積極的な中小規模企業対応を展開している。

 三菱電機インフォメーションシステムズ 第二事業本部 ERP企画部 部長 藤本俊平氏は販売目標として「今回の新製品も合わせ、MELEBUSシリーズ全体で今後3年間で50セット」を掲げる。同社のERP事業における顧客企業の売上高規模は、1000億円以上が60%弱を占めており、同社にとっても、ターゲット市場拡大の戦略として中小規模企業が位置付けられているとみられる。

(編集局 谷古宇浩司)

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