「エッジにインテリジェンスを」、HPの新戦略

2003/6/18

日本HPのビジネス マネージャー プロカーブ ネットワーキング ビジネス ジャパンの小川裕康氏

 日本ヒューレット・パッカードは、同社の新しいアーキテクチャ「アダプティブ・エッジ・アーキテクチャ」に基づくネットワーク機器「HP ProCurve Switch 2626」と、「HP ProCurve Secure Access 700wlシリーズ」を発表した。HPのビジネス マネージャー プロカーブ ネットワーキング ビジネス ジャパンの小川裕康氏によると、同社のネットワーク機器の売り上げは「現状20億円に届いていない」状態。だが、新製品投入や直販ビジネスの強化で、3年以内に現状の5倍に当たる100億円のビジネスに育てることを目指すという。

 アダプティブ・エッジ・アーキテクチャとは、ネットワークのコア部分にユーザー設定やポリシー管理を統合。これらの情報をネットワークのエッジ部分に配信し、コントロールだけをエッジ部分に担当させる考え。HPは「エッジにインテリジェンスを持たせるアーキテクチャ」と説明した。ネットワーク全体のトラフィックが増加しても、エッジがアクセスリクエストの処理を引き継ぎ、対応。エッジからコアに向かう通信の集中を防げるという。ネットワークに新たな機能を持たせる場合でも、エッジのネットワーク機器だけを更新すればよく、ビジネス環境の変化に迅速に対応できる。

 新製品のHP ProCurve Switch 2626は26ポートを備えたエッジ・スイッチ。HPのライフタイム保証対応製品で、万一、製品が故障してもHPに連絡すれば、その翌日には同じ製品をHPが発送。ユーザーは無料で新製品と交換できる。製品が生産完了品であっても、同等以上の機能を持つ別の製品と交換できるという。

 HP ProCurve Secure Access 700wlシリーズは、「Access Controller 720wl」「Access Control Server 740wl」「Integrated Access Manager 760wl」の3製品を用意。720wlは無線LANのアクセスポイントを接続し、ネットワークのエッジ部分でユーザーにアクセス権限を付与する機能がある。IEEE802.11に対応し、ワイヤレスとネットワークの間でセキュリティを確保する。IEEE802.11gにも準拠している。

日本HPが発表した「HP ProCurve Access Controller 720wl」

 Access Control Server 740wlは、720wlと組み合わせて利用する。コア部分から配信されたユーザー設定とポリシー管理の情報を統合。場所や日時に基づき、ユーザーのアクセス権限を設定できる。無線LANのユーザーが、サブネットを移動しても720wlがプロキシサーバの役割を果たし、ネットワーク接続を維持するという。760wlは、740wlと720wlの機能を組み合わせた製品で「小規模無線LANや支店での展開に最適」(HP)。1台の740wlに最大30台の720wlを接続可能だ。

 Switch 2626は6月20日に出荷開始で19万2000円から。700wlシリーズは10月に販売開始予定で、価格は720wlが120万円から、740wlは180万円から、760wlは240万円からとなっている。

(垣内郁栄)

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日本ヒューレット・パッカードの発表資料

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