2600億円で売却された日本テレコムの未来
2003/8/22
日本テレコムホールディングス 代表取締役社長 ウィリアム・モロー氏(左)とリップルウッドのマネージングダイレクター ジェフリー・ヘンドレン氏 |
英ボーダフォン傘下の日本テレコムホールディングスは、子会社の日本テレコムを米投資会社のリップルウッドに売却すると発表した。売却額は2613億円で、日本テレコムホールディングスは負債削減にあてるとしている。
日本テレコムは旧国鉄が1984年に設立した通信会社。2001年にはボーダフォンが出資し、経営権を取得した。ボーダフォンは日本テレコムの収益向上に務めてきたが、携帯電話事業のJ-フォンに集中するため、売却を決意したようだ。売却は2003年第4四半期に終了する見込みとなっている。
日本テレコムホールディングスと日本テレコムの代表取締役社長 ウィリアム・モロー(William Morrow)氏は、「日本テレコムにとってもリップルウッドにとっても、国内の通信業界にとってもよい結果だ」とコメント。「リップルウッドは通信についてもよく知っていて、安心している。顧客にとってもよい結果になった」と顧客メリットを強調した。
リップルウッドのマネージングダイレクター ジェフリー・ヘンドレン(Jeffrey M. Hendren)氏は「画期的な取引が成立した」と自画自賛。「リップルウッドは新生銀行などへの投資で長期の投資モデルを示してきた」として、日本テレコムも長期的に保有する考えを示した。リップルウッドのインダストリアル・パートナー ロバート・アクリーナ(Robert M. Aquilina)氏は日本テレコムの音声、データ通信事業に集中的に投資することで、市場でのポジションを向上させる考えで、「フルサービスのプロバイダーになる」と目標を述べた。特に法人市場でのIPネットワークサービス重視する考えだ。
長期低落傾向にあるとはいえ、日本テレコムの収益の柱は音声通信。アクリーナ氏はマーケティングやコスト管理を強化することで、音声で確実な収益を上げ、成長分野と位置付ける個人、法人向けのデータ通信事業に投資する考えを示した。
(垣内郁栄)
[関連リンク]
日本テレコムホールディングスの発表資料
[関連記事]
ノーテルが新製品投入、レイヤ3スイッチが急成長する理由は
(@ITNews)
"電話機が消える日"を迎えるための課題とは
(@ITNews)
IP電話普及で通信料激減、NTTコムはどこで稼ぐ?
(@ITNews)
ジュニパーがルーセントと提携する理由
(@ITNews)
富士通社長に黒川常務、秋草氏は会長就任へ
情報をお寄せください:
最新記事
|
|