ジュニパーがルーセントと提携する理由
2003/5/23
「オープンスタンダードを遵守して、プロプライエタリ(自社標準)な製品はいっさい出していない。なぜならネットワークとは、さまざまな製品を接続するためのものであるから」と語るプラディープ・シンドゥ氏 |
年に1度開催されるエグゼグティブ・フォーラムに参加するために来日したジュニパーネットワークス副社長のプラディープ・シンドゥ(Pradeep Sindhu)氏が、ジュニパーネットワークスの戦略や日本市場の役割、また5月5日に発表されたルーセント・テクノロジーとの提携について話した。
1996年の設立以来同社は、通信キャリアやサービスプロバイダ向けにネットワークを構築する機器を提供してきた。このような事業者のネットワークは従来、ATMやTDMベースにして構築されてきたが、いまやIPやMPLSベースでの置き換えが進んでいる。
プラディープ氏は、日本市場での機器の売り上げが短期間で3倍に成長したと述べ、ジュニパーの売り上げに日本市場が主要な役割を果たしていると話した。「日本のサービスプロバイダは、オープンスタンダードのネットワークを利用することで生み出される経済性と、ネットワークインフラの変革が密接にかかわっていることを理解している」とし、その理由として「ブロードバンドの採用率が高いこと、IPv6の重要度が高いこと、マルチメディアやコンテンツ配信(CDN)でさまざまな革新が行われていること」を挙げて、日本市場が世界のネットワークの変革の鍵を握ることになるだろうと語った。
サービスプロバイダとの関係については、「ジュニパーは、サービスプロバイダのネットワークの変革のお手伝いができる最もいいポジションにいる企業である」とし、サービスプロバイダに焦点を当てた製品やテクノロジを核とし、他のベンダやサプライヤとのパートナーシップを結んでいる。
ルーセント・テクノロジーとの提携については、サービスプロバイダが、ATMやTDMベースのネットワークをIPやMPLSベースに置き換えていることを理由に挙げ、「ジュニパーの製品を用いたIPやMPLSベースのネットワークを構築する際に、ルーセント・テクノロジーのATMやTDMベースの製品や経験がよりよい移行を助ける」とコメントし、ルーセントとのパートナーシップの理由を明らかにした。
最後に、ライバルや5年後のネットワーク市場の変化にどう対応していくかの質問には、「ネットワーク市場で5年後に何が起こっているか見越すことは難しい。われわれはサービスプロバイダが求める要件を満たす製品の振る舞いや性能から学んだことを、これまでどおり、次世代の製品に生かしていくのみだ」と語り、サービスプロバイダとの信頼関係や自社製品の持つテクノロジの高さへの自信を見せた。
(編集局 富嶋典子)
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