ノーテルが新製品投入、レイヤ3スイッチが急成長する理由は

2003/8/7

 ノーテルネットワークスは、データ通信のほかにVoIPやマルチメディアコンテンツの配信に利用できるレイヤ3スイッチ「Passport Routing Switch」の新製品を8月下旬に出荷開始すると発表した。

 今回発表したPassport 1600 Routing Switchシリーズは、通信の遅延が発生しにくいワイヤスピードのルーティングを実現。VoIPやマルチキャストなど通信の遅延が許されないアプリケーションでもスムーズに利用できるという。また、4段階のハードウェアキューを利用可能で、アプリケーションごとに割り当てる帯域を設定できる。

 冗長機能も従来製品より強化した。Passport 1600 Routing Switchを2台使うことで、1台に障害が起きても1秒以内に通信を切り替えることができるSMLT(Split MultiLink Trunking)を採用。SMLTは通常は2台のPassport 1600 Routing Switchを高速なIST(Inter-Switch Trunk)で接続し、論理的に1台のスイッチに見せる機能。2台は常にアクティブな通信が行われ、ロードバランシングされることで、適切な帯域を確保できる。SMLTの機能は今年後半にソフトのアップグレードによって対応する予定。

 セキュリティ面では、アクセスに対してMACアドレスフィルタリングなどさまざまなレベルでコントロールできる機能を搭載。今年後半にはSNMPv3に対応予定で、アクセス管理を一元的にコントロールできるようになる。

ノーテルネットワークスのProduct Solutions Director レイ・テスク氏

 Passport 1600 Routing Switchシリーズは10/100Mbpsを48ポート、4つのギガポート備えた「Passport 1648T Routing Switch」(97万9000円)、12のギガポートを搭載する「Passport 1612G Routing Switch」(134万9000円)、24のギガポートがある「Passport 1624G Routing Switch」(153万9000円)がある。それぞれ1Uサイズで、電源は2重化されている。

 ノーテルネットワークスのProduct Solutions Director レイ・テスク(Ray Teske)氏は、企業ネットワークの現状について「VoIPの活用でコミュニケーションの統合が進んでいる。データが主眼のネットワークから音声を流すことを考慮したネットワークに移行する必要がある」と指摘。「そのためレイヤ3スイッチが急成長している。長期的にはレイヤ3の市場がレイヤ2スイッチの市場を追い抜くと考えられる」と予測した。ノーテルでは9月にも3つの新製品を発表する予定。

(垣内郁栄)

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