.com Masterがエンジニアの必須資格になる?
2003/8/30
ITエンジニアにはあまり縁がなく、エンドユーザー向けの資格という印象が強いNTTコミュニケーションズのインターネット検定資格「.com Master」(ドットコムマスター)。だが、今後は多少ITエンジニアにも関係してくるかもしれない。
NTTコミュニケーションズは、インターネット検定のすそ野を広げるために「.com Mate」(ドットコムメイト)を新たに設けるほか、今年12月からドットコムマスターの最上位資格となる「ドットコムマスタートリプルスター」をスタートさせる。
ITエンジニアに関係してきそうなのは、当然ながらドットコムマスタートリプルスターだ。同資格が対象とするのは、インターネットを活用する企業や組織で、ネットワーク運用管理ができ、さらにその知識・技術を中小規模のネットワーク構築のサポートビジネスに活用できる人。いわゆるネットワークの運用・管理の入門レベルに当たる資格といえよう。
インターネット検定委員会普及推進部会長を務めるNTTコムチェオの薄和夫氏 |
NTTコミュニケーションズの100%子会社NTTコムチェオに所属し、インターネット検定委員会普及推進部会長も務める薄和夫氏は、ほかのベンダフリーの資格であるCIWやCompTIA A+とドットコムマスタートリプルスターとを比較し、「CIWやCompTIA A+は海外の資格。アメリカの通信事情に基づき策定されており、日本の実情に合わせたものではない。また、インターネットに関する法律などは、各国によって事情が違う」と述べた。
薄氏は「実は今年7月のNetWorld+Interop 2003 Tokyoに、ほかの資格ベンダと共同出展をした。そこで、シスコ、オラクルなどベンダ資格とのアライアンスの話になり、現在交渉中だ」と述べ、ベンダ資格との提携を考えていることを表明した。
薄氏にどのような提携を考えているのかを問うと、「具体的には決まっていない」としながらも、資格のスキルマップとして位置付ける可能性があると述べた。しかし、シスコやオラクルなどの資格を受けるための受験資格(例えばORACLE MASTER Silverの受験のためにドットコムマスターに合格することが前提といったこと)とするのか、経済産業省が発表したITスキル標準(IT Skill Standard:ITSS)に基づいたマッピングを共同で行うのか、といった詳細には言及しなかった。ただ、「すでに交渉しているので、できるだけ早く結論を出したい」という。
現在のところ、ドットコムマスターをベンダ資格の受験前提とすることは、あまり可能性がなさそうだ。そこから考えると、推奨すべきスキルマップを提唱する、といったゆるやかな連携をまずは目指し、そのうえでさらに提携内容を詰める、といったシナリオが浮かぶ。
ITエンジニアにも多少は関係するかもしれないと冒頭で述べたのは、こうした他社のベンダ資格との提携が実現する可能性があるからだ。取りあえずは、今後のNTTコミュニケーションズの取り組みに注目しよう。
(編集局 大内隆良)
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NTTコミュニケーションズの発表資料
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