「Oracle 10gは30分でインストールが完了します」とオラクル

2003/9/2

 日本オラクルは、米オラクルが次期データベース「Oracle Database 10g」を年内中、次期アプリケーションサーバ「Oracle Application Server 10g」を今秋に出荷予定であることを明らかにした。オラクルはOracle8iの利用顧客をメインのターゲットにしてシェアのさらなる向上を目指す。

 Oracle Database 10gとOracle Application Server 10gは、9月7日から米国サン・フランシスコでオラクルが開くイベント「OracleWorld」で発表する予定。米オラクル社内では現在ベータ版をテスト中で、近く早期導入企業に対して導入する予定となっている。

 Oracle Database 10gとOracle Application Server 10gが実現するのは、エンタープライズ・グリッドと呼ばれるテクノロジ。PCサーバを数1000台接続し、特定業務向けのカスタムアプリケーションを動作させる現在主流のグリッド・コンピューティングやハイパフォーマンス・コンピューティングと異なり、グリッドのインフラ上で既存のアプリケーションを稼働させることを狙う。グリッド化することで信頼性が高まるのはもちろん、複数のサーバ間でリソースをダイナミックに割り当てることができ、システム全体の利用率が高まる。それぞれのサーバやストレージは仮想化され、一元管理が可能。システム構成はブレードサーバ+Linuxが想定されている。

 グリッドのほかに“オートメーション”、“Ease of Use”(使いやすさ)が製品のキーワードになるOracle 10g。Oracle Database 10gはストレージ管理機能である「ASM」(Automated Storage Management)の追加やクラスタ機能、コントロール・マネジメントの機能が強化される見通し。Oracle Application Server 10gは、トランザクションを負荷分散する「Provision System」やアプリケーションの切り替えを容易にする「Shift Application」が追加される。アプリケーション・モニタリング機能も強化される。

 オラクルは、「Oracle Database 10gは30分以内にインストールが完了する」というメッセージをセールスポイントにする考え。“Ease of Use”をアピールし、管理コストの低さを強調する。さらにDBをストップさせることなくパッチを当てたり、システムをアップデートすることが可能で、「Unbreakable(壊れない)だけでなく計画停止も最小限にする」(オラクル)という。自律型の管理技術にも対応させ、重大な障害が発生する前に検知、対応できるようにする。

(垣内郁栄)

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