スパイウェア、スパムを取り締まるNorton新シリーズ

2003/9/17

 シマンテックは「Norton AntiVirus 2004」などNortonシリーズの新製品を10月17日から順次発売すると発表した。Norton AntiVirus 2004は、PCに常駐し、ユーザーの個人情報を外部に送信するスパイウェアの検出にも対応。シマンテックの代表取締役社長 杉山隆弘氏は「セキュリティ強化に加えて、プライバシー保護機能の強化を意識した製品」と新シリーズを説明し、ウイルスや不正アクセスにとどまらず、インターネットのさまざまな脅威に対応することを強調した。

 新シリーズは、アンチウイルスとパーソナルファイアウォール、スパムメール防止、Webサイトフィルタリングの各機能を搭載した「Norton Internet Security 2004」と、アンチウイルス、パスワード管理、システム復旧機能などを搭載した「Norton SystemWorks 2004」、アンチウイルス機能単体の「Norton AntiVirus 2004」、スパムメール防止ツールの「Norton AntiSpam 2004」などで構成。

 Norton AntiVirus 2004は、ユーザーの個人情報をPCから外部に送信するプログラムであるスパイウェアの検出に対応したのが特徴。Webサイトやプログラムで配布され、Webブラウザ上に広告メッセージを表示させるアドウェアも検出できる。ユーザーのキーボード操作を記録し、外部に送信してしまうキーストロークプログラムなどの検出にも対応。ユーザーにとって迷惑なプログラムを広く検出できるのが前バージョンとの違いだ。それぞれ随時更新される定義ファイルで検出する。ただ、スパイウェアなどは検出は可能だが、除去やアンインストールはユーザーが手作業で行う必要がある。アンチウイルス機能は、手動ウイルススキャンを一時停止しても、同じ個所から再開できるようにした。

 Norton Internet Security 2004やNorton AntiSpam 2004は、ユーザーが望まないのに送信されるスパムメールを防止する機能を搭載。POP3対応の電子メールクライアントソフトと連動し、スパムメールを受信した際は電子メールの件名の先頭に「スパム」という文字を加える。ユーザーはスパムと判断された電子メールを自動削除するなどの処理を選択できる。スパムメールの検出には、受信する電子メールアドレスを指定する許可リストや、受け取りを拒否する遮断リストをユーザーが作成する。スパムメールによく使われるキーワードを設定して検出する機能もある。もちろん、日本語の電子メールにも対応する。

米シマンテックのコンシューマ・アンド・クライアント・プロダクト・デリバリー プロダクトマネジメント担当ディレクター トム・パウレッジ氏

 価格は標準パッケージで、Norton Internet Security 2004が9800円、Norton SystemWorks 2004が1万3800円、Norton AntiVirus 2004が6800円などとなっている。Norton AntiSpam 2004(5800円)と管理機能を強化した「Norton Internet Security 2004 Professional」(1万1800円)、「Norton SystemWorks 2004 Professional」(1万7800円)は12月に発売予定。

 米シマンテックのコンシューマ・アンド・クライアント・プロダクト・デリバリー プロダクトマネジメント担当ディレクター トム・パウレッジ(Tom Powledge)氏は、「世界で2000万台以上のPCにスパイウェアがインストールされ、個人情報が外部に流出している。また、米国ではユーザーは1週間に110通のスパムメールを受け取ると言われている」と説明。「個人ユーザーにとってスパムメールとスパイウェアが最大の脅威になりつつある」と強調した。

 コンシューマ向けセキュリティツールでシマンテックとシェアを競うトレンドマイクロも9月9日に「ウイルスバスター2004 インターネット セキュリティ」を発表した。ウイルスバスター2004も、アンチウイルスや不正アクセスの防止機能のほかにスパムメールやスパイウェアに対応した機能を搭載している。ユーザーに対する脅威が広がりつつある、というのはセキュリティ業界の一般的な認識となっているようだ。

(垣内郁栄)

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シマンテックの発表資料

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