アイパスが提案する海外ローミングの実用度
2003/9/20
米アイパスのプロダクト・マーケティング・ディレクタ クリス・リチャーズ氏 |
インターネットの海外ローミングアクセスサービスを提供するアイパス ジャパンはクライアントPC用の新しい接続ツール「iPassConnect 3.0」を発表した。出張先の海外でも簡単な操作で企業のVPNに接続できるのが特徴。米アイパスのプロダクト・マーケティング・ディレクタ クリス・リチャーズ(Chris Richards)氏は、「企業利用を重視し、セキュリティと使いやすさを強化した」とiPassConnect 3.0を紹介した。
アイパスは企業ユーザーと個人ユーザー向けにインターネットアクセスのローミングサービスを提供している。世界各国のインターネットサービスプロバイダと提携。個人ユーザーの場合、個人で契約しているISP経由でアイパスのサービスを利用する。企業ユーザーはアイパス、またはアイパスのパートナーと契約し、海外では最寄のアクセスポイントに接続する。VPNを通じて自社のネットワークにアクセスすることも可能。課金は時間ごとで、企業に対して一括請求される。
iPassConnect 3.0は無線LAN接続への対応強化が最大の特徴。ローミングを利用する都市を選択するだけで、利用可能な無線LANのホットスポットが表示される。SSIDやWEPキーなどアクセスに必要な設定もあらかじめ行われている。表示されるホットスポットは、互換性などをアイパスが検証済みで、接続に失敗することが少ないという。無線LANの認証ではIEEE802.1x(LEAP、MD5、TTLS)をサポートする。
インターフェイスも変更した。設定に必要な項目を集約し、ユーザーがより直感的に操作できるようにした。1つの画面でアナログモデム、イーサネット、無線LAN、ISDN、PHSなど複数のアクセス設定を管理できる。パーソナルファイアウォール機能もあり、ユーザーが安心してVPNに接続できるようにしている。
クリス氏によると、米国ではアイパスのユーザーは法人契約が多いという。しかし、国内では個人ユーザーが多い。国内ではインターネットアクセスは個人任せのケースが多く、企業がローミング用に回線を用意していることが少ないからと考えられる。アイパスは、セキュリティの高さや情報システム部によるアクセス管理の容易性、課金管理の効率性などをアピールし、法人契約の拡大を目指す。
(垣内郁栄)
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