必要なAP数を自動で割り出す無線LANデバイス

2003/7/3

 米トラピーズ・ネットワークスは既存のネットワークを一切変更することなく、簡単に導入できる企業向け無線LANソリューションを日本で出荷すると発表した。付属するソフトを使えば、企業のレイアウトに合わせて必要なアクセスポイントの設置位置を事前に確認でき、効率的に無線LANを構築できるという。トラピーズの製品は、高千穂交易が国内で販売、サポートを行う。

米トラピーズ・ネットワークスのワールドワイドマーケティング担当上級副社長 ジョージ・プローダン氏。手にしているのがアクセスポイント

 トラピーズが販売する無線LANソリューション「トラピーズ・モビリティ・システム」は無線LAN対応のスイッチ、アクセスポイント、管理ソフト、事前検証ソフトで構成される。スイッチの「モビリティ・エクスチェンジ」は既存のネットワークに接続し、ネットワークの認証サーバと連携させることが可能で、ワイヤレスでも有線ネットワークと同様のセキュリティを確保できるという。ローミング機能があり、無線LANに接続したままでクライアントPCがアクセスポイントを移動しても、アクセスやユーザープロフィールは維持される。

 アクセスポイントの「モビリティ・ポイント」はUFO型のデバイスで、煙感知器のように天井に設置できる。IEEE802.11aとIEEE802.11b、a/bのデュアルに対応する。今後11gにも対応する予定。11iのドラフトスタンダードを満たす機能があり、WEPのほかに「TKIP」(Temporary Key Integrity Protocol)や「AES」(Advanced Encryption Standard)、「WPA」(Wi-Fi Protected Access)をサポートする。

オフィスのレイアウトから必要なAP数を割り出す「リングマスター」

 便利そうなのが、事前検証ソフトの「リングマスター」。無線LAN導入前にオフィスレイアウトのデータを取り込ませたり、ソフト上でレイアウトを作図することが可能。ユーザー数やトラフィックレベルから、オフィスのどこにどの程度アクセスポイントを設置するのが最も効率的かを判断し、管理者にアドバイスする。運用後にトラフィックが予想以上になった場合は、追加のアクセスポイントをどこに設置したらいいかの助言も行う。米トラピーズ・ネットワークスのワールドワイドマーケティング担当上級副社長 ジョージ・プローダン(George Prodan)氏は、「無線ネットワーク構築前に完璧なシミュレーションができる」と述べ、そのメリットをアピールした。

 米トラピーズの代表取締役社長兼CEO ジム・フラッシュ(Jim Flach)氏によると、トラピーズは2002年3月に設立。今年5月に米国で初となる製品を発表したという。アジアでは中国・上海にオフィスがあり、日本にも今後、オフィスを開設することを検討している。

(垣内郁栄)

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米トラピーズ・ネットワークス

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