インテルは無線LANユーザーをもっと増やしたい

2003/9/26

 インテルは同社のノートPC向けプラットフォーム「Centrino」(セントリーノ)の無線LAN機能を、2004年にもIEEE802.11iに対応させる考えを示した。インテルは無線LANの普及に力を入れているが、セキュリティを理由に導入に踏み切らない企業も多い。セントリーノに強固なセキュリティ機能を加えることで、企業ユーザーを呼び込みたい考えだ。

インテルの通信営業本部 Wireless LAN製品&システムズ・プロダクト・マーケティング・マネージャー 梅野光氏

 セントリーノはインテル製のプロセッサ、チップセット、無線LANインターフェイスで構成。今年3月にPCベンダ各社が発売したセントリーノ対応ノートPCはWEPキーなど無線LANの基本的なセキュリティ機能しか搭載していなかった。インテルはセントリーノに含まれる無線LAN接続ソフトを今年6月にバージョンアップ。セキュリティ機能として新たにWPAに対応した。WPAはIEEE802.1xと、TKIPによる動的暗号化で構成されるセキュリティ機能で、IEEE802.11iのサブセット。

 インテルはシスコシステムズが策定した認定プログラム「Cisco Compatible eXtensions」(CCX)にも参加。LEAPやCKIP(シスコ版のTKIP)などの暗号機能がセントリーノの無線LAN機能に追加された。クライアントPCから無線LANアクセスポイントのSSIDなどを見えなくするステルスモードや、不正なアクセスポイントの検出などにも対応。インテルの通信営業本部 Wireless LAN製品&システムズ・プロダクト・マーケティング・マネージャー 梅野光氏によると、インテルは接続ソフトの次期バージョンで従来のIEEE802.11bだけでなく、IEEE802.11aにも対応させることを予定している。

 2004年にもセントリーノを対応させるIEEE802.11iはWPAとAES(Advanced Encryption Standard)、アドホックネットワークに対応。別にPKIを使った認証も利用できるようにする。セントリーノ搭載PCの無線LAN機能は、PCベンダのWebサイトなどを通じてファイルをダウンロードし、バージョンアップさせることができる。

 インテルは無線LANホットスポットの整備も進めている。セントリーノ搭載PCと無線LANホットスポットの接続検証を実施。すでに世界2万2000カ所で検証を終了した。国内でも3200カ所の検証を終えたという。

(垣内郁栄)

[関連リンク]
インテル
シスコシステムズ

[関連記事]
地味に確実に、主軸の強化に努めるインテル (@ITNews)
インテル、エンタープライズ市場に全方位戦略 (@ITNews)
日本の技術が握るバッテリ寿命の未来 (@ITNews)
PC管理を考え「インテルは1年間チップを変更しません」 (@ITNews)
インテルが語る無線技術の将来 (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)