ポータル機能を標準装備したSSO製品発表、HP

2003/10/17

日本ヒューレット・パッカード コンサルティング事業統括本部 eソリューション部 部長 小早川直樹氏

 日本ヒューレット・パッカードは10月16日、シングル・サインオン製品「HP IceWall SSO」の新製品「HP IceWall SSO version7.0 Enterprise Edition」を10月16日発売すると発表した。シングル・サインオン製品としては初めて、ポータル機能を標準装備、エージェント型認証モジュールも追加でき、大規模イントラネットへの対応を強化した。同社 コンサルティング事業統括本部 eソリューション部 部長 小早川直樹氏は「Webを企業内ITインフラの核として導入する企業が増えている」とし、イントラネットのWeb化を積極的に提案していく考えを示した。

 標準装備するポータル機能「HP IceWall Dynamic Menu Portal」は、グループメニューや個人メニュー、ローテーション、時間による表示変更など、これまで同社が蓄積してきた企業情報ポータルの機能を厳選して搭載している。このポータルをはじめとするHP IceWall SSO version7.0 Enterprise Editionの新機能群は、1997年以来同社が実際に導入し、「約24億円の初期投資を6カ月で回収、初年度に約60億円のコスト削減を実現した」(小早川氏)ノウハウを結集したものだという。

 確かに、企業ポータルを構築するうえでの「痒い所」に手が届く機能が随所にみられる。エージェントモジュールの実装はその1つだろう。通常、リバースプロキシの弱点とされる巨大データやストリーミングデータの取り扱い、分散した認証サーバへのアクセスはこれで回避できる。例えば、グループ企業間で利用する場合、認証のためのIceWallサーバを東京に設置し、バックエンドのサーバを大阪など物理的に離れた各支店に配置するケースを想定してみる。通常なら、わざわざ東京の認証サーバに戻り、認可を受けなくてはならないが、バックエンドの各エージェントが認可を行う(エージェント型認証)ため、「コスト増の要因だったネットワークトラフィックの低減が実現する」(小早川氏)のである。

 またHP IceWall SSO version7.0 Enterprise Editionでは、基本機能ですべてのWebによるフォーム認証方式に対応するため、バックエンドWebサーバとHP IceWall SSOとの認証を統合するプログラム作成の作業を排除できる、といった機能強化も行っている。

(編集局 谷古宇浩司)

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