新生NTTソフトウェアの意気込み

2003/10/18

NTTソフトウェア 代表取締役社長 鈴木滋彦氏

 NTTソフトウェアが生まれ変わる。事業グループを「モバイル&セキュリティ」「ネットワークサービス」「エンタープライズ」の3つのソリューション事業グループに再編し、8つのソリューション(すなわち、「モバイル対応」「セキュリティ」「IPネットワーク構築」「顧客対応マネジメント」「モバイルネットワーク構築」「ブロードバンドサービス」「システム統合」「言語・音声」の8つ)をコアコンピタンスとしてビジネス展開を開始する。この組織再編により、「2010年度に売上高1000億円、経常利益100億円の企業体を目指す」(代表取締役社長 鈴木滋彦氏)。
 
 具体的には7月1日にコーポレートレベルのアカウントマネージャの増員および各事業グループに課題解決のためのソリューション提案を行う営業SEを配置し、顧客対応力の強化を図る一方、市場開拓のためのマーケティング機能の強化など、営業体制を拡充・強化した。さらに、従来の製品別事業部を撤廃、前述したような「モバイル&セキュリティ」「ネットワークサービス」「エンタープライズ」の3つのソリューション別事業グループに再編成し、スタッフの動きに柔軟性を持たせる仕組みを作った。同社の思惑によれば、これにより、技術のシナジー効果および技術間の連携が促進され、ネットワーク基盤からアプリケーションまでのソリューションをトータルで提供する体制が確立されることになる。

 この背景には、NTTグループ中心の受注比率が減少し、グループ外の受注比率が拡大しつつあること、同時に「NTT大型プロジェクト」の受注が減少し、小型・中型プロジェクトが増加したこと、顧客ニーズが細分化され、製品中心のビジネス展開ではなく、提案型のビジネス展開でなければ、市場のニーズに対応できなくなってきたことなどが挙げられる。結局、NTTグループ内で閉じていたビジネス構造が破たんし、需要を外部に求めなければならなくなった、といえる。NTTグループ企業の多くは、同社と同じ組織再編、事業戦略の転換を迫られているのが事実だが、その多くはいまだ売り上げの60〜70%をグループに依存していることも事実。真の構造改革を推し進めるには、グループ全体の構造にメスを入れるという壮大な計画も実行に移さなければならないのかもしれない。

(編集局 富嶋典子)

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