無線LAN製品、NECならこう作る

2003/10/30

ワイヤレス・コントローラ「WL2000シリーズ」と音声通話用のハンドセット端末

 NECは10月29日、音声とデータを統合し、無線VoIP環境に対応した無線LAN製品「WLシリーズ」を発表した。同製品は、ワイヤレス・コントローラ「WL2000シリーズ」、アクセスポイント「WL1200シリーズ」、管理ソフトウェア、音声通話用のハンドセット端末で構成されており、米エアスペースとの協業で製品化したもの。日本国内に加え、北米、アジア、太洋州地域での展開も予定している。

 従来の高機能一体型のアクセスポイント思想から脱却し、アクセスポイントとワイヤレス・コントローラに機能を分散した点が大きな特徴である。これにより、複数のアクセスポイント(他社製品も対応)で構築される大規模ネットワークでも、ワイヤレス・コントローラと管理ソフトウェアで、ネットワークの一元管理、制御が可能になる。機能面では、隣接アクセスポイント間干渉の自動回避、管理ソフトウェアによる電磁状態の可視化、自動パワー調整による通信エリアのオートリカバリ、ロードバランシングによる負荷分散、動的にコントローラを切り替え可能な冗長制御などを搭載している。

アクセスポイント「WL1200シリーズ」

 デモンストレーションで行った、自動パワー調整による通信エリアのオートリカバリ機能の検証では、突然通信が切断されたアクセスポイントがあった場合、隣接するアクセスポイントが異常を検知し、欠陥を補完できることを実地に証明した。

 無線LAN製品最大の難点であるセキュリティ対策には、同社も細心の注意を払っているとみえ、特にその優位性をアピールした。不正アクセスに対しては、不正なアクセスポイントを検出し、管理画面で確認可能とした「不正自動検出機能」を搭載、またレイヤ2の認証機能に「IEEE802.1x」、レイヤ3の暗号通信に「IPsec」を採用、レイヤ1、2、3のマルチレイヤで豊富なセキュリティ機能を有していることを強調した。

 音声通信を行うためのハンドセットは2004年1月に、まずは北米で開始する。その後、2004年春をめどに日本国内での販売を開始する予定。

 「WLシリーズ」の価格は240クライアントの場合307万円から。同社では北米、アジア、大洋州地域を含め、今後3年間で3000システムの販売を見込んでいる。

(編集局 谷古宇浩司)

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