日・中・韓、モデリング技術の標準化という壮大な夢
2003/11/19
日本、中国、韓国でモデリング技法の標準を作り上げる |
「UML モデリング推進協議会(UMTP/Japan)」は11月18日、アジア地域におけるモデルの共有とモデリング技能認定の共有を進めるため、中国、韓国の専門家と連携して「UMTP アジア アライアンス」を発足させた。中国では武漢大学「国家重点軟件工程実験所」のUML ECC(UML教育認定センター)、韓国ではKCSC(韓国ソフトウェアコンポーネント推進協議会)のソフトウェアモデル部会と共に活動していく。
UMTP/Japanの活動は、UMLを基盤としたモデリング技法のアジアにおける標準化が主な目的。UMLに関する知識の向上を目的としてOMGが全世界共通で提供する「UML技術者資格試験」とは、一応連携を図りながらも、同協議会独自の「UMLに基づくモデリング技能認定試験」を今年11月に開始する予定。これは、オージス総研が提供してきたWebベースの試験である「OGIS UML University」を引き継ぎ、新たにコンテンツを加えるなどして、UMTPモデリング技能試験に発展させる。将来的には日本、中国、韓国で共通のモデリング技能体系や教育カリキュラム、認定試験の共有を図り、技術者の相互認定やモデリング作業の相互運用を進める。
UMTP/Japan副会長 堀内一氏(東京国際大学教授)によると今後のスケジュールは「まず、用語(翻訳語)の統一から始め、スキルの定義策定、認定基準の設置を順次行っていく」。モデリング言語としてUMLを基礎に置くことは決まっているものの、モデリング技法の統一活動という壮大な目的を果たすための工程作業は、2004年以降の話となる。
UMTP/Japan会長 上野南海雄氏(オージス総研 専務)は「もちろん、中国、韓国だけではなく、ほかのアジアの国々とも連携していきたい」と話すが、まずは日・中・韓3国の連携作業を成功させる必要があるだろう。
(編集局 谷古宇浩司)
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