「3カ月は短納期とはいえない」、チーム生産性向上を狙うボーランド

2003/11/21

 ボーランドは、JBoss対応やStruts対応などを強化したJava統合開発ツール「Borland JBuilder X」(Xはテンと読む)と、チーム開発を支援する変更管理ツール「Borland StarTeam 5.4」を発表した。チーム開発支援ツールは、同社が日本市場に初めて投入する製品。来春投入予定といわれている仕様策定ツールを合わせると、開発工程の上流から下流までの全体をカバーするラインアップがそろう。

ボーランド 営業本部 マーケティング部 部長 藤井等氏

 両製品を発表するにあたりボーランド 営業本部 マーケティング部 部長 藤井等氏は、「短納期でしかもバグのないシステム、という顧客からの要求が一層高まっている」とし、「いまでは3カ月でも短納期といえないケースさえでてきた」と、開発者個人はもとより、チーム全体での生産性を高める仕掛けが必要だと強調した。

 今回発表されたStarTeamの機能はJBuilder Xの画面タブの1つとして統合され、開発者は開発ツールの中からシームレスにチーム開発支援機能を利用できる。インターネットを越えて分散した環境でのソースコードの変更管理、変更要求やタスクリストの管理などが可能で、SCC APIに対応した開発ツールならどれでも統合可能。

 JBuilder Xは、同社の2Wayテクノロジを導入。画面上でビジュアルに表現されたStrutsフレームワークの画面遷移などを変更すると、変更内容が自動的にソースコードに反映されたり、その逆にソースコードの変更がビジュアルに対して反映する。「すでにStrutsを導入している開発チームなら、JBuilderで読み込んでビジュアルに表示させればメンテが容易になる」(藤井氏)。また、WebSphere、WebLogicの2つのアプリケーションサーバに加え、オープンソースのJ2EEサーバであるJBossへの対応も果たした。メニューを選ぶだけで各アプリケーションサーバに対応した設定ファイルが生成され、すぐにテストをすることができる。

 開発サイクルの短縮が、いまのボーランドの主題だ。前述したように、2004年の第1四半期には、その集大成となる「Borland Enterprise Studio 7 for Java」が日本国内で提供される予定になっている。これには、今回のJBuilder、StarTeamに加え、仕様策定のための「Borland CaliberRM」「Borland Together」と、テストとパフォーマンス改善のための「Borland Optimizeit」などが含まれる。そして、すべての機能はJBuilderに統合され、開発者はそこからシームレスに各機能を呼び出すことができるようになるという。

(編集局 新野淳一)

[関連リンク]
ボーランドの発表資料(Borland JBuilder X)
ボーランドの発表資料(Borland StarTeam 5.4)

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