中国製サーバが生んだOracle 10g新記録

2003/12/5

 米オラクルは、Linux上で動くOracle Database 10gが、米TPC評議会が認定するTPC-Hベンチマークテストのクラスタシステム、1テラバイトのカテゴリで、9950.7QphH@1000GBを記録したと発表した。
 
 この記録は、Oracle Database 10gとOracle Real Application Clusters、中国のITベンダLenovoのクラスタ・サーバ「Legend DeepComp 6800」、Linux OSの「Red Hat Linux Advanced Server v3」の組み合わせで達成した。Lenovoのクラスタ・サーバは、各ノードに4個のIntel Itanium 2 1.3GHzプロセッサを搭載した4ノードのクラスタ構成となっている。
  
 Lenovoは北京と香港に拠点を有する中国最大のITベンダで、昨年まではLegendと名乗っていた。もともとはPCの再販会社としてスタートしたが、1990年代後半ごろから自社ブランドのPCやサーバを発表、アジア圏で一定のシェアを獲得するまでになった。どちらかというと中堅中小企業市場に強みを持っているという。
   
 TPCが実施するベンチマークテストでよく知られているものにTPC-Cがあるが、こちらがオンライントランザクションでのデータ処理を測定するのに対して、今回のTPC-Hは意思決定支援システムでの利用を想定し、大容量のデータに対する複雑でアドホックな問い合わせ処理を測る。今回の9950.7QphH@1000GBは、1テラバイトのデータベースに対して1時間当たり9950.7回の検索を実行したことを示す。TPC-Hベンチマークテストの結果としてこれより高い記録は存在するが、オラクルでは、1テラバイトという大容量のカテゴリで、中国製クラスタサーバとLinux OSを用いることにより、QphHあたり1321中国元(約1万7282円、12月4日現在)という低コストで達成したことを強調している。
 
 記録達成に当たっては、北京にあるオラクルの中国開発センターと米オラクルのサーバ・テクノロジーグループが協力しており、中国大陸への同社の順調な進出と、Oracle Database 10gのLinux OSへの高いコミットを印象づけている。

(吉田育代)

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日本オラクルの発表資料

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