ブロケードがSAN統合製品、低価格スイッチを投入
2004/1/6
ブロケード コミュニケーションズ システムズはヘテロジニアスのSANを統合し、ストレージリソースのユーティリティ・コンピューティング環境を実現するプラットフォーム製品「Brocade SilkWorm Fabric Application Platform AP7420」を2004年4月に投入する考えを明らかにした。エントリからハイエンドまでSANを構築できるスイッチ製品を積極的に発表する予定もあり、ブロケードの代表取締役社長 松島努氏は「2004年は過去2年の中では製品の発表が一番多い年になる。会社としても大きく変わっていきたい」と2004年への意気込みを述べている。
ブロケードが4月に出荷する予定の「Brocade SilkWorm Fabric Application Platform AP7420」 |
AP7420は、「Fabric Application Platform」という同社の新しいカテゴリに属する製品。部門や子会社で個別に構築されたSANを統合し、最終的に仮想ストレージを構築、ユーティリティ・コンピューティングを実現する。従来のSANスイッチと異なるのは、ソフトを自在に追加でき、さまざまな機能を追加できる点。ユーティリティ・コンピューティングについても、顧客企業のシステムに合わせて段階的に実現する。第1段階では複数のSANを統合し、データのルーティングをできるようにする。第2段階では、SANとIPネットワークの融合、第3段階でストレージを仮想化し、ユーティリティ・コンピューティングを実現する。各段階で新しいソフトをAP7420に導入する。松島氏は「多くの企業では一気にストレージの仮想化まで持っていくのは難しい。AP7420でまずインフラを整備する」としている。AP7420は4月に製品出荷される見通し。
また、ブロケードは従来の製品と比較して、それぞれ20〜30%値下げし、使い勝手を向上させたエントリ、ミッドレンジ向けの新製品を出荷する考えを示した。エントリモデルの値下げは、DAS環境が多い日本の企業に対して、SANを簡単に使ってもらえるようにするのが狙い。ミッドレンジ製品は企業に乱立する小規模なSANを統合し、ユーティリティ・コンピューティング実現のためのインフラ整備をできるようにする。ブロケードは新製品の積極的な投入で、同社のエントリモデルがワールドワイドで2004年に前年比3倍の成長を達成できると予測している。
ブロケードはハイエンド向けのSANスイッチでも従来のSilkWorm 12000と比較して、ラック内1台あたりのポート数が2倍の128ポートに対応する新製品を、2004年10月にも出荷する。ハイエンド製品のポート数を増やすことで、企業内にあるカスケード接続されたSANスイッチを統合し、運用管理の効率を高める。松島氏は低価格製品やポート数が多いハイエンド製品の出荷で「SANの構築、運用にコストがかかるというイメージを払しょくし、SANのすそ野を広げたい」としている。
(編集局 垣内郁栄)
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