登録減少の日本語JPドメインにあの手この手、JPRS
2004/1/20
日本のインターネットドメインを管理している日本レジストリサービス(JPRS)は、日本語を使ったJPドメインの利用環境の整備を進めるため、ユーザーにWebブラウザの乗り換えやプラグインのインストールを促す新サービス「日本語JPナビ」(仮称)の検討を始めたと発表した。ユーザーから意見を募集し、早ければ2004年2月中にも開始したい考え。普及が広がらない日本語JPドメインの打開策となるか。
日本レジストリサービス 取締役企画本部長 堀田博文氏 |
「http://日本語.jp/」などの日本語JPドメインは2001年に登録が開始。日本人ユーザーが覚えやすいことなどから普及が期待された。しかし、現状で日本語JPドメインが利用できるWebブラウザは「Netscape 7.1」以上と「Opera 7.2」以上に限られる。最も広く利用されている「Internet Explorer」は別のプラグインソフトをインストールする必要があり、使い勝手が悪い。その結果、一時は6万2000件を超えた日本語JPドメインの登録件数は、2004年1月の段階で4万5402件まで減ってしまった。「登録はできても利用できないのが一番の障害」(JPRS 取締役企画本部長 堀田博文氏)となっているのだ。
JPRSが2月中にも始める考えの日本語JPナビは、IEなど日本語JPドメインに対応しないWebブラウザで日本語JPドメインのURLを入力すると、エラーページの代わりにプラグインのインストールやNetscapeなどほかのWebブラウザを使うよう促すWebサイトを表示するサービス。日本語で登録してあるJPドメインをUTF-8でエンコードすることでDNS検索を受け付けられるようにし、日本語JPナビ専用のWebサーバのIPアドレスをユーザーに返す仕組み。日本語JPドメインを使ったWebサイトへのアクセス方法をユーザーに紹介し、日本語JPドメインの使い勝手をよくすることで、登録件数を増やすのがJPRSの狙いだ。ただ、利用できるユーザー環境はWindows XP、2000でIE 6以降を使っている場合に限定される。
ユーザーに対してプラグインのインストールなどを促す同様のサービスは、ほかのドメイン管理会社も他国で行っているが、DNSの運用方法やドメイン登録者への通知の不徹底などで批判が起きているケースもある。そのためJPRSは日本語JPナビの開始前にユーザーから意見を募集し、実施するかを判断するとしている。日本語JPナビのWebサイトを表示するのは、申し込みがあった日本語JPドメインだけに限定。DNSの検証やインターネットコミュニティへの理解も得られるよう説明会などを開催するという。
日本語JPナビは、IEによる日本語JPドメインのサポートが進まない中での窮余の策ともいえる。IEが日本語JPドメインをサポートするようになれば、必要でなくなるサービスだが、マイクロソフトは日本語JPドメインをはじめとする国際化ドメインに消極的で、対応するのは次期OS「Longhorn」の出荷以降(2005〜2006年ごろ)だと指摘する声もある。ドメイン管理会社の苦闘は続きそうだ。
(編集局 垣内郁栄)
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日本レジストリサービスの発表資料
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