東芝情報機器、インターネットVPNで楽になったのは
2004/1/21
東芝情報機器 情報システム部 主幹 渡辺昌治氏 |
「社員に仕事を快適にしてもらえるのが最大のメリット」。2003年5月にインターネットVPNを構築し、エントラストの「Entrust Authority」を使った認証システムを導入した東芝情報機器 情報システム部 主幹 渡辺昌治氏はセキュアなインターネットVPNを構築した理由をこう述べた。
自宅など社外から会社の電子メールサーバやイントラネットにアクセスする方法はいくつもあり、どの方法が自社にとってベストなのか迷うケースもある。東芝情報機器もVPNを構築する際にクライアントソフトが不要なSSL-VPNを検討した。ただ、「社内にはオフコンもあり、WebのHTTPだけでは不十分。ファイル共有などがしやすいことを考えインターネットVPNを選んだ」(東芝情報機器 情報システム部 宇野澤知子氏)という。
エントラストジャパン マーケティング部 PKIプロダクトマネージャー 池永章氏 |
東芝情報機器は2003年5月にインターネットVPNを構築するまで、外回りの営業スタッフなどにPHSを持たせていた。スタッフはPHSをつなげたPCで会社のアクセスポイントに接続し、電子メールやイントラネットを利用していた。だが、PHSでは通信速度が遅く使い勝手が悪いうえに、通信コストが高額。通信の利用が多い営業スタッフでは月額2〜3万円の通信コストが発生していたという。
そこで東芝情報機器は、社員に対するリモートアクセスの利便性向上と通信コストの削減を目指し、インターネットVPNの導入を決定。VPNアプライアンス「Nokia IP 530」にチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズの「VPN-1 Accelerator Cards」をインストールし、インターネットVPNを構築した。システム・インテグレーションはソフトバンクBBが担当した。インターネットVPNの構築で自宅や外出先の無線LANスポットなどから会社のリソースに自由にアクセスできるようになり、社員1人当たりの通信費を最大20分の1にしたという。
東芝情報機器 情報システム部 宇野澤知子氏 |
PKI製品の選択は社内に認証局を構築できることが条件だった。渡辺氏によると、エントラスト製品以外も検討したが認証局を社内に設置できることや価格面を考えて、エントラスト製品を選んだという。製品を検討した当時にエントラストがキャンペーンを行っていて、通常よりも格安で製品を購入できたり、管理者向けのトレーニングを受けることができたのも選択のポイントになったようだ。もちろん、「運用面が楽になるということが認められたと思う」(エントラストジャパン マーケティング部 PKIプロダクトマネージャー 池永章氏)という側面もあるだろう。東芝情報機器は700ユーザー分の電子証明書を購入。現在、全国の主要拠点に割り当てた200ユーザー分が使用されている。2004年に入り、ネットワークの増強が終了したことから、1月末にも東芝情報機器の全国70拠点でインターネットVPNを利用できるようにするという。
インターネットVPNの構築は情報システム部のスタッフにとってもメリットがあったようだ。社内ネットワークの構築、運用を担当している宇野澤氏は、電子メールサーバやイントラネットの障害で早朝や休日に呼び出され、「自宅から1時間30分かかる」会社まで出社することがたびたびあったという。しかし、VPNの構築で自宅から会社のイントラネットにアクセスできるようになり、「深夜や早朝、休日に出社することがなくなった」という。
(編集局 垣内郁栄)
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