インテル、無線LANとPHSによるユビキタス環境を後押し
2004/1/23
インテル キャピタル ジャパンは1月22日、日本通信に出資したことを発表した。
インテル キャピタル 副代表兼国際部門担当ディレクタ クロード・レグリース氏 |
日本通信は、無線LANスポットへのアクセスと128kbpsのPHSデータ・ネットワークを統合した「bモバイル・サービス」を提供している。日本通信への出資は、インテルがノートPC向けプラットフォーム「Centrino」(セントリーノ)を強力に推進するに当たって、その追い風になると判断し、「戦略的な投資」を決めた。
インテル キャピタルは、インテルの事業戦略に沿ってインターネット経済の成長を推進する目的で企業への資本参加などを手掛けている。日本においては、2003年9月に電池技術開発のパイオニクスに出資、ノートPCを利用するうえでバッテリ寿命を延ばす技術を加速させることを明らかにしている。
インテル キャピタル 副代表兼国際部門担当ディレクタ クロード・レグリース(Claude M. Leglise)氏は、出資方法として普通株を取得したこと以外、「投資に関する詳細な情報はいえない。プライベートカンパニーに対し、どの程度出資しているかは公表できない」と語ったが、日本通信 代表取締役社長 三田聖二氏は、「公表されていることでいえば、6%程度の出資比率で、第4位の株主」と語り、インテルが少数株主である点を強調した。
現在日本国内には約4200の無線LANのスポット数があるが、このうち日本通信のサービスが利用できるスポットが3000ポイントあり、国内の無線スポットの75%あまりを占めている。
しかし課題もある。日本通信 代表取締役副社長 ロバート・ケリー氏によれば、「各ISPによって課金(システム)、サービス、セキュリティなどが違う。そのため、ほかのキャリアでは使えない」のが現状だ。bモバイル・サービスを利用することで、キャリアの壁を超え利用できるメリットを説明した。無線LANのもう1つ課題である、スポットが都市部に集中している点についても、95%の人口カバー率を誇るPHSで補完できるとした。
両社は今後、セントリーノ搭載のノートPCとbモバイル・サービスを組み合わせた利用方法の推進を共同で進めること、ノートPCに日本通信の製品を同梱、「購入したノートPCを最初に起動したときにすぐにインターネットにアクセスできる環境」(三田氏)をつくっていくという。その実現の時期について三田氏は「年単位のことではなく、何カ月単位の話」と語り、ハードベンダとの交渉が順調である点をアピールした。
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