顧客対応ログから“気づき”を抽出、アクセラテクノロジ

2004/2/14

 アクセラテクノロジはコンタクトセンターの対応ログから顧客の声を抽出し、自動で分析、レポート化する新製品「eAccela InnovationCenter AutoReport」の販売を開始したと2月12日、発表した。活用が不十分な顧客対応ログから顧客の要望やクレームを吸出し、業務改善や顧客満足度向上のための“気づき”を経営層や企画部門に与えるという。

アクセラテクノロジ 代表取締役社長 進藤達也氏

 アクセラテクノロジ 代表取締役社長 進藤達也氏はコンタクトセンターが保存するログについて、コール件数や対応時間などを示す運用系ログと実際の問い合わせやクレームの内容を示す顧客対応ログの2つがあると説明。顧客対応ログには、ユーザーの嗜好の変化や製品開発のヒント、改善点など重要なデータが含まれているにもかかわらず、これまで活用されてこなかった。

 顧客対応ログはテキストデータで保存されることが多く、その分析にはテキストマイニングの手法が使われるが、進藤氏によると「従来のテキストマイニング手法は仮説を立てて、それを証明するために分析し、レポートを作成する仮説検証型」で、「人手と時間、専門的スキルが必要で十分には普及していない」という。一方、eAccela InnovationCenter AutoReportは顧客対応ログを自動分析し、レポートを生成、電子メールで配信する。仮説を証明するための分析ではなく、トレンドの変化や目立つ情報を記載する内容で、経営層や企画部門、サポート部門に対して「分析の出発点となる“気づき”を与える」という。

 具体的にはeAccela InnovationCenter AutoReportはCRMやCTIのシステムから取り出した顧客対応の不定形なログから顧客の要望や製品開発のヒント、クレームなどを抽出。日次、週次、月次などの集計で、よく出るキーワード、目立つ情報、トレンドをとらえる。レポートは最初の設定時にひな形を作っておく。そのひな形に沿ってeAccela InnovationCenter AutoReportがレポートを生成し、電子メールで送信する。

 レポートはMicrosoft Excelで購読する。レポート結果に対してダイナミックにドリルダウンを実行可能。Excelをクライアントとして、より深い分析ができる。アクセラテクノロジでは、すでに顧客企業数社にeAccela InnovationCenter AutoReportを先行導入している。ある工作機械メーカーはシーベルのCRMソフトを使っていて、すでに100万件以上の顧客対応ログを蓄積。eAccela InnovationCenter AutoReportを使ってレポートを作成し、サポート部門や開発部門などにレポートを配信しているという。

 eAccela InnovationCenter AutoReportは、Microsoft Windows 2000 Server、Windows Server 2003で稼働。データベースにMicrosoft SQL Server、WebサーバとしてMicrosoft Internet Information Services(IIS)5.0以上とMicrosoft .NET Framework 1.0以上が必要。eAccela InnovationCenter AutoReportの月額使用料は30万円から。eAccela InnovationCenter AutoReportは単体での導入のほかに、アクセラテクノロジが販売しているコンタクトセンター向けのナレッジマネジメントソフト「eAccela InnovationCenter」のアドインとして導入することも可能となっている。アクセラテクノロジは、eAccela InnovationCenter AutoReport単体で、今後3年間50件の導入を目標としている。

(編集局 垣内郁栄)

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アクセラテクノロジの発表資料

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