地方でコンタクトセンター開設が相次ぐ理由は?

2003/12/20

 自動車保険「アクサダイレクト」を提供するアクサ損害保険は、新たなコンタクトセンターを福井県に開設すると発表した。運用開始は2004年2月。アクサ損害保険は東京・有明に400席のコンタクトセンターを保有していて、福井、有明の両コンタクトセンターでユーザーからの問い合わせに答える。2カ所のコンタクトセンターで災害時のリスクを分散する狙いもある。

アクサ損害保険の代表取締役社長 ギ・マルシア氏

 福井県坂井町に開設する新コンタクトセンターは初年度100席を用意する予定。3年で300席まで増やす。システムはIPベースで構築し、全席にIP電話を設置。ジェネシスの「インターネットコンタクトソリューション」を活用し、電話だけでなく電子メールやファクシミリも扱えるようにした。保険の見積もりや契約締結、事故処理などの対応を行う。ジェネシスのシステムを活用したコンタクトセンターでは国内最大の席数になるという。アクサ損害保険の代表取締役社長 ギ・マルシア(Guy Marcillat)氏によると、アクサ損害保険の投資額は最初の3年間で10億円。

 アクサ損害保険は東京・有明の本社内に400席のコンタクトセンターをすでに保有している。有明と福井の新コンタクトセンターは広域イーサネットで接続され、データベースの顧客情報などが同期される。どちらかのコンタクトセンターで障害が発生しても、一方のコンタクトセンターで業務を継続できる。ユーザーからの電話は、コンタクトセンターのビジー状況応じて、有明、福井のどららかに振り分ける。

 まとまった雇用が期待できることから全国の自治体はコンタクトセンターの誘致に力を入れている。福井県は土地取得や機器購入の一部を補助したり、地元の雇用者1人に対して年間70万円を補助する各種の優遇措置を用意し、アクサ損害保険の誘致に成功した。コンタクトセンターを開設する企業にとっては優遇措置のほかに、設備費や人件費などのコストを東京のコールセンターと比較して安くできるというメリットがある。福井では、ほかにCSKがコンタクトセンターを開設し、PCベンダのカスタマーサポートなどに利用している。

(編集局 垣内郁栄)

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アクサ損害保険の発表資料

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