WANとLANのギャップを埋める、パケッティア

2004/3/4

 ネットワークを利用するビジネス・アプリケーションのトラフィック管理製品を開発している米パケッティアのワールドワイドセールス バイスプレジデント アートロ・カザーレス(Arturo Cazares)氏は、ビジネス・アプリケーションの利用について「WANとLAN、国内と海外とのトラフィックのギャップが問題になっている」と指摘し、同社の製品を使うことで海外へ進出している多国籍企業がスムーズにビジネス展開できるようになると説明した。

米パケッティアのワールドワイドセールス バイスプレジデント アートロ・カザーレス氏

 カザーレス氏が指摘したビジネス・アプリケーションはネットワーク経由でサーバに接続して利用することが多いデータベースやERP、CRMなどの基幹系システムや電子メール、Webサーバなど。カザーレス氏は、LANが高速でもWANが低速でトラフィックが込み合い、アプリケーションが正常に利用できないことが企業システムで問題になっていると指摘。もちろん、ネットワークの帯域を増強すればアプリケーション全体のレスポンスは速くなる。しかし、ファイル交換ツールなど業務と関係がないアプリケーションの利用でネットワークがひっ迫しているケースでは、「帯域の増強は根本的な問題の解決にならず、ネットワークコストだけがかかってしまう」と述べた。

 パケッティアが販売する「PacketShaper」シリーズは、企業ネットワークのトラフィックを管理し、ビジネス・アプリケーションのレスポンスを高速化する製品。ネットワークでどのようなアプリケーションが使われているかを可視化し、アプリケーションごとの利用帯域、レスポンスタイムを表示する。そのうえで、業務に必要なアプリケーションの帯域を確保、または業務に不要なアプリケーションのトラフィックを制御する。ネットワークを利用するアプリケーションに優先順位を付けることで、帯域を効率的に利用できるという。PacketShaperシリーズにはアプリケーションのトラフィックを圧縮してパフォーマンスを向上させる機能もある。

 PacketShaperシリーズは国内で東京三菱銀行やNTTコミュニケーションズが利用している。東京三菱銀行は50台のPacketShaperを支店に導入。支店間のビデオ会議システムなどのパフォーマンス向上に利用している。NTTコミュニケーションズは顧客企業に提供するアプリケーションのレスポンスタイム向上、モニタリングなどに利用している。

 パケッティア日本法人 代表取締役社長 金城盛弘氏によるとPacketShaperシリーズは製造、金融分野での利用が多く、「国内のほとんどの大銀行で使われている」という。今後は金融へのさらなる拡販と、サービス業への浸透を目指す。

(編集局 垣内郁栄)

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