LoadRunnerだけではない、マーキュリーの底力をみよ

2004/2/24

マーキュリー・インタラクティブ・ジャパン 代表取締役 ウィルソン・タン氏

 マーキュリー・インタラクティブ・ジャパンは4月23日、2004年の営業戦略を発表した。同社の悩みは、性能・負荷テスト市場におけるその「圧倒的な強さ」(同社)のために、企業名よりも特定の製品名、例えば、負荷テストツールである「LoadRunner」の方が有名だということ。米国をはじめ、全世界3万社の顧客を持つ米マーキュリーブランドが日本では「なかなか浸透しない」(同社)という状況が続いていた。

 そこで、2004年はLoadRunnerに依存するビジネス体質を改善、プロフェッショナル・サービスを体系化し、提案型の戦略を採用することで、テストを核とした市場を創出し、同時に自社ブランドの日本国内での浸透を目指す。マーキュリー・インタラクティブ・ジャパン 代表取締役 ウィルソン・タン(Wilson Tan)氏は「ITシステムは、開発および開発後の保守・管理を通じて、あらゆる段階で、最高の品質を保持し続けなくてはならない状況にある。このすべての過程においてマーキュリーの製品およびサービスがもたらす価値を改めて提案していきたい」と話す。

 同社のプロフェッショナル・サービスは、「Mercury Optimization Center」という体系のもと、「アプリケーション・デリバリ」という設計・開発工程における分野と「アプリケーション・マネジメント」という運用管理レベル、さらに上位層のシステム監視レイヤである「ITガバナンス」という分野で、対応する製品を揃え、同時に体系化したサービスを提供する構成になっている。サービスの導入は「部門」「プロジェクト」「ビジネス・ユニット」「エンタープライズ」など規模に応じてメニューの増減を調整することができる。また、提供形態として、製品のライセンスを購入し、自社でテストや運用監視を実施するインソース型とすべてのサービスを外部に依存するアウトソース型を揃えている。

 特定の市場を狙うことも2004年の新たな戦略として採用している。「実はERPの構築作業はその大半がテスト作業に費やされる」(マーケティング 河野真一氏)ということで、まずは、オラクル、SAP、シーベル、ピープルソフトの4社のERPベンダに焦点を絞り、各ベンダのERPごとの製品・サービスのパッケージングを行い、また各ERPベンダと戦略的なパートナーシップを組みながら、同市場に注力していく方針である。

(編集局 谷古宇浩司)

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