進化するアマゾンのWebサービス、狙いはOfficeユーザー
2004/3/5
アマゾン ジャパンは3月4日、Amazon.co.jpで提供している商品検索システムをMicrosoft Officeアプリケーションからシームレスに利用できるモジュールを発表した。ダウンロード、利用ともに無償。
アマゾン ジャパン 代表取締役社長 ジャスパー・チャン氏 |
この「Amazon.co.jpリサーチサービス」は、Webブラウザで提供している同社のサービスのうち、商品検索に限ってMicrosoft Word 2003やOutlook 2003、Excel 2003から直接利用できるようにしたもの。モジュールをインストールすると、Office製品のリサーチ作業ウィンドウにWebページと同等の検索サービスが表示される。キーワードを入力してヒットした製品のコメントを読んだり、その商品をショッピングカートに入れることも可能だ。検索結果(書籍名や商品写真)をワンクリックでWordなどに貼り付ける「アクション」機能も搭載された。ただし、購入は従来どおりWebブラウザから操作する。
同サービスはOfficeアプリケーションとアマゾンWebサイト間の通信にWebサービスを使っている。同社は2003年、Webサービスの公開と開発者キットの無償配布を開始しており、今回の新サービスはWebサービス戦略の第2弾に当たる。同社 代表取締役社長 ジャスパー・チャン(Jasper Cheung)氏は「Webサービスは非常に重要な戦略と位置付けている。2003年7月に開始したデベロッパ向けのWebサービスでは、すでに多くのアプリケーションで利用が進んでいる。今回のAmazon.co.jpリサーチサービスは、Webサービスを使った革新的なテクノロジを一般ユーザーにも広げるものになる」と語った。
Webサービスはテクノロジの話題が先行し、具体的なビジネス用途が見えてこないといわれているが、アマゾンの取り組みは数少ない成功モデルといえる。Officeアプリケーションへの組み込みは検索サービスのみの提供で、販売に直接つながるものでなく、いわば立ち読みの奨励とも受け取れる。これについてチャン氏は「従来のWebブラウザからのアクセスでも、ほとんどのユーザーは製品情報の検索に利用している。それで当社は満足だ。アマゾンの(Webサービスによる)検索機能を使って何をするかは、利用者のアイデア次第。実際に、デベロッパ向けのWebサービスを提供したことで、われわれの予想しなかった使われ方も生まれている」とし、検索サービスの利便性向上がユーザー拡大につながり、ひいては収益に貢献するという見解を示した。
Amazon.co.jpリサーチサービスの対応OSはWindows 2000、Windows 2000 Service Pack 2以降。対応OfficeのバージョンはMicrosoft Office Word 2003、Microsoft Office Excel 2003、Microsoft Office Outlook 2003。
(編集局 上島康夫)
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