NECエレがトランスメタと協業、低消費電力チップを活用
2004/3/26
NECエレクトロニクスは米トランスメタと協業し、トランスメタが開発した半導体の低消費電力化技術「LongRun2」のライセンス供給を受けると3月25日に発表した。NECエレクトロニクスはLongRun2を活用し、低消費電力が求められるモバイル製品などを開発する。NECエレクトロニクスの取締役副社長 橋本浩一氏は「チップの低消費電力化技術は高集積化技術、高速化技術と並ぶ最重要課題になりつつある」と述べ、今後低消費電力のチップが求められる製品分野が拡大するとの見通しを示した。
NECエレクトロニクスの取締役副社長 橋本浩一氏(左)と米トランスメタ CEO マシュー R. ペリー氏 |
NECエレクトロニクスはトランスメタと長期的な関係を築くために約2%の株式を取得した。NECエレクトロニクスはLongRun2技術のノウハウ、特許権のすべてを利用できる。技術の利用に合わせてロイヤリティ、ライセンス料をトランスメタに支払う。
トランスメタが開発したLongRun2技術は、チップの機能がオンになる電圧を示すしきい値電圧と、トランジスタ内で電流が漏れて発熱したり、回路にノイズを与えるリーク電力を詳細にコントロールできる。しきい値電圧とリーク電力をコントロールすることで、LongRun2技術はチップの低消費電力を実現する。チップ個別のしきい値電圧のばらつきを制御する機能もあるため、生産段階でチップのしきい値にばらつきがあっても、そのまま生産を続けることができ、結果的に歩留まりを少なくできる。
NECエレクトロニクスは自社でも低消費電力化技術の研究を進めているが、LongRun2技術を使うことでチップの総消費電力は「理論上は従来の6分の1になる」(橋本氏)と想定している。90nmプロセスのチップ開発にLongRun2技術を生かす考えで2005年にはLongRun2技術を使ったモバイル製品や通信機器、サーバなどの出荷を計画している。さらに65nmプロセス、45nmプロセスでも採用し、デジタル家電開発などに生かす。
(編集局 垣内郁栄)
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NECエレクトロニクスの発表資料
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