インテル社内に残るRISCサーバ、「今後数年でなくなる」

2004/4/20

 米インテルで副社長兼CIOを務めるダグラス・ブッシュ(Douglas F. Busch)氏はインテル社内で利用するサーバについて、「今後数年でRISCベースのサーバをIAベースに移行させる。RISCサーバはなくなる」と4月19日に語った。ブッシュ氏は社内システムをIAベースに移行させることで、1997年から2004年にかけて9億2500万ドルのコスト削減効果が期待できると説明した。

米インテル 副社長兼CIO ダグラス ブッシュ氏

 ブッシュ氏によると、インテルで計算処理に利用するサーバ、2万8900台のうちでIA/Linuxを搭載しているのは全体の80%以上を占める。残りをIA/WindowsとRISCベースのシステムが占める。基本的には新たに導入するシステムはIAベースを採用し、RISCサーバは「レガシーなアプリケーションの検証用にだけ使っている」のが現状だ。レガシーアプリケーションが新規アプリケーションに置き換えられれば、RISCサーバもIAベースに置き換えられることになる。

 インテルではグリッド・コンピューティングの活用も続けている。プロセッサの設計など大量の計算能力が必要とされる業務では、複数のプロセッサのリソースを統合して利用。社内で開発したグリッド・コンピューティングのためのツールを活用し、プロセッサの利用率を最大で80%まで高めたという。今後は社内開発のツールをOGSA(Open Grid Services Architecture)に準拠したIAベースの標準ツールに移行させる計画で、現在実証実験を行っている段階だ。

 これらインテル社内でのIT利用の可能性を探っているのがIT部門内にある「ITイノベーション」。特にインテルが最近設置した「インテルITイノベーション・センター」では社内の生産性向上、一層のコスト削減効果のアップを狙って新しいテクノロジを開発している。開発対象は、将来のシステム・アーキテクチャや分散コンピューティング、eラーニング、コラボレーション、次世代の製造手法など。インテル社内、パートナー企業間での利用を想定しているが、社内で成功したプロダクトやサービスは製品開発へフィードバックしている。すでにP2Pを使ったコラボレーションのツールなど社内で実利用されているテクノロジもある。

(編集局 垣内郁栄)

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インテルにおけるIT運用「IT@Intel」

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