お役所仕事とLinuxのフシギな関係、HDE
2004/4/24
Linuxから連想されるのは「革新」「自由」「柔軟」といった言葉だろう。保守的で融通の利かない「お役所」のイメージはおよそオープンソースと結びつきそうにない。ところがここ1年で、Linuxを導入する地方自治体が急速に増えているという。
ホライズン・デジタル・エンタープライズ 代表取締役社長 小椋一宏氏 |
「HDE Solution Forum 2004」で講演に立ったホライズン・デジタル・エンタープライズ 代表取締役社長 小椋一宏氏は「昨年から今年にかけ、Linuxビジネスは自治体や教育機関などへの導入が伸びている」と語り、同社が販売するLinuxのGUI管理ツール「HDE Controller」のゲートウェイ向け製品「LG Edition」が地方自治体に973本導入されている実績を明らかにした。
「全国で3199ある地方自治体で、当社の製品約1000本以外のLinuxも使われているはず。政府のe-Japan重点計画の後押しもあり、Linuxに代表されるオープンソース導入の動きは民間企業よりも積極的だ」とし、小椋氏は官公庁、自治体、教育機関向けの販売に力を入れる方針を打ち出した。多くのLinuxベンダもこの市場に参入しつつあるという。
同社の製品群はLinuxの専門知識を持たないユーザー向けのツールで、サーバ管理をWebブラウザベースのGUIで可能にした「HDE Controller」、複数サーバ(UNIXやWindowsとLinuxの混在環境)の集中管理GUIツール「HDE Center」、セキュリティ機能を高める「HDE Anti-Virus」などから構成される。
一方、Linuxの採用が進むホスティングサービス業界では、サーバOSの管理権限(root権限)まで提供する商品が好調だという。GMOホスティングアンドテクノロジーズ 専用サーバ事業部 佐藤秀忠氏は、「当社のroot権限委譲型ホスティングサービス『Self Managed Server Hosting Service』では、Red Hat Enterprise Linux 2.1 ESにHDE Controller 3.0 ISP Editionを搭載してサービスを提供している。サーバ管理を顧客に委譲することで月額料金を大幅に下げることが可能になった。Linuxのコマンドに不慣れなユーザーでも、GUI管理ツールなら受け入れてもらえる」と述べた。
(編集局 上島康夫)
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