「イーサネットがグリッドのベストチョイス」、フォーステン

2004/5/7

 科学技術計算でのプロセッサパワーの統合から、ビジネス・コンピューティングにおける可用性向上など新しい分野での普及が期待されるグリッド・コンピューティング。グリッド・コンピューティングを実現するための要素として注目を集めているのは、コンピューティング・リソースを仮想化、統合するミドルウェアや運用管理ツール、ビジネスモデルに合わせてシステム構成を柔軟に変化させられるスケールアウト型のサーバやストレージなどだ。

米フォーステンネットワークス テクニカルセールス担当のバイスプレジデント サジド・アワン氏。左は同社のスイッチルータ「E300」

 しかし、サーバ間やクラスタ構成のシステムを相互接続するインターコネクトも重要。米フォーステンネットワークス テクニカルセールス担当のバイスプレジデント サジド・アワン(Sajid Awan)氏は「グリッドを構築するためのインターコネクトにはイーサネットベースがベストチョイスだ」と強調する。

 アワン氏は異なるサイトに構築されたクラスタ・システムを相互に接続する「イントラ・グリッド」「エクストラ・グリッド」などでイーサネットが有効と主張する。クラスタ間の接続ではInfiniBandやMyrinetなどのインターコネクトも利用されているが、アワン氏はイーサネットのメリットとして、低コストと高性能を強調した。

 イーサネットはネットワーク構築で広く使われるテクノロジであるため、対応機器の価格が安い。さらにネットワーク管理者の多くはイーサネットの知識があり、グリッドの新たなシステムを構築する際に追加で教育を行う必要がない。運用管理ツールも豊富で信頼性が高い、などのメリットをアワン氏は強調した。特にストレージの接続にiSCSIなどIPベースのネットワークを使っている場合は、ストレージも含めたグリッドのイーサネット化が容易になり、運用管理コストの低減が期待できる。

 もっともクラスタ間の密な結合、低レイテンシ(遅延時間)が求められるハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)、科学技術計算などではInfiniBand、Myrinetをイーサネットを組み合わせることが最適とアワン氏は説明する。イーサネットがその能力を発揮するのは広帯域を必要とする映像系のアプリケーションや、複数のグリッドをやクラスタを束ねる大規模なシステムなどだ。「イーサネットはアーキテクチャの信頼性がすでに保証されている。ネットワークデザインをシンプルにできる」とアワン氏はイーサネットのメリットを強調した。

(編集局 垣内郁栄)

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