データウェアハウスいらずのBIツール、米アクチュエイト
2004/5/22
ビジネス・インテリジェンス(BI)ツールベンダの米アクチュエイト CEO兼社長 ピート・チッタディーニ(Pete Cittadini)氏は、米国で6月に出荷予定の次期製品「Acutuate 8」について、データウェアハウス(DWH)を構築しなくても、さまざまなシステムからデータを抽出し分析できる新機能「エンタープライズ・インフォメーション・インテグレーション」(EII)を搭載することを明らかにした。
米アクチュエイト CEO兼社長 ピート・チッタディーニ氏 |
Acutuate 8は国内では10月に出荷予定。チッタディーニ氏は他社のBIツールについて、「一度、システムからDWHにデータを移す必要がある。BIで参照できるのは過去の履歴情報になる」と指摘。対して、EIIでは「リアルタイムにデータベースからデータを直接持ってきて分析できる」として、ビジネス環境の変化に柔軟に対応できる点をアピールした。
アクチュエイトは、中国・上海に海外R&D拠点を開設した。R&D拠点には20人の中国人エンジニアが在籍。本社と直結し、最新のBI技術などを研究、開発する。チッタディーニ氏は中国人エンジニアを「非常に優秀」と高く評価していて、年内に40人まで増員する計画だという。中国にR&D拠点を設けたのは中国の成長性の高さに注目したのが理由。日本は市場としては大きいが、成長率では中国が上回るとみている。
アジア・太平洋地域でのアクチュエイトの主な投資はパートナー企業を増やすことだ。アクチュエイトのBIツールは、さまざまな業務アプリケーションと連携し、一般社員でも利用できるようにわかりやすく情報をレポーティングするのが特徴。パートナー企業が、業務アプリケーションに組み込んで顧客企業に納入するのが主な販売方法だ。アクチュエイトはこれまで日本で伊藤忠テクノサイエンス(CTC)、日本IBMなどのパートナー企業を獲得しているが、今後もチッタディーニ氏のトップ営業でパートナー企業の開拓を進める方針。アクチュエイトの世界の売り上げのうち、アジア・太平洋地域で25%を獲得するのが目標だ。
(編集局 垣内郁栄)
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