100万円を切るSANストレージで中小を狙う、Dell|EMC

2004/5/28

100万円を切るSANストレージ「Dell|EMC AX100」は、中堅、中小企業がターゲット

 デルは100万円を切るSANストレージ製品「Dell|EMC AX100」(AX100)と、EMCとの共同営業体制を中心とする協業強化を発表した。AX100はSAN接続とDAS接続をサポートし、最大ディスク容量は3TB(250GB SATAディスクドライブを最大12基搭載)。最小構成での最低価格は99万4350円となっている(ただし、この場合はDASとして利用可能。SANとして利用するには別途オプションが必要となる)。

デル 代表取締役社長兼米デル 北アジア地域担当副社長 浜田宏氏

 デル 代表取締役社長兼米デル 北アジア地域担当副社長 浜田宏氏は「この発表はグローバルでの発表。数時間前にロンドンで発表した、シンガポールは日本とほぼ同時期に発表する」と述べ、世界規模で低価格SANストレージを投入するという同社の意気込みを見せた。続けて浜田氏は、SANの分野はデスクトップPCやノートPC、ワークステーション、サーバ分野などに続き標準化が進みつつあると指摘。今後“デルモデル”を使って製品を提供できる部分だと強調、特に今後ストレージで伸びるのが「1万5000ドル以下」のレンジだと述べた。

 さらに世界におけるDell|EMCストレージビジネス全体を見渡すと、2004年度第1四半期で前年同期比25%増の成長を見せているが、浜田氏は「日本では数字がいえないが、数倍といった感じで伸び続けている」と語り、ストレージ分野でも好調であるとアピールした。

米EMC シニア・バイス・プレジデント CLARiX事業本部ジェネラル・マネージャ ジョエル・シュワルツ氏

 すでにデルはDell|EMCのストレージ製品としてCX300、CX500、CX700を投入している。これらの製品群は中規模から大規模企業をターゲットにしている。今回のAX100の投入により、中堅から中小規模の企業をもターゲットにすることで、中小から大規模企業まですべてをカバーできるようになる。

 AX100の特徴は、DASの価格でSANの構築が可能なこと、ユーザー自身がインストールからメンテナンスまでできること、そして革新的な設計にある。特にインストールに関して米EMC シニア・バイス・プレジデント CLARiX事業本部ジェネラル・マネージャ ジョエル・シュワルツ(Joel Schwartz)氏は、「これまで熟練したパートナーの人間が行って6時間かかっていたものが、4ホストSANを1時間以内にインストールできる」と強調した。さらに製品に同梱するソフトウェア(「Array-based Management Utility」「Path Management」「Shared Storage」)だけでストレージ管理ができ、オプションのソフトウェアを購入する必要がないという。

[関連リンク]
デルの発表資料
EMCジャパン

[関連記事]
「標準技術に明るい未来がある」、マイケル・デルCEO (@ITNews)
デルのCIOに聞く、「IT部門の社内地位を向上させるには?」 (@ITNews)
デルのもう1つの差別化、それはサービスビジネス (@ITNews)
EMCジャパンが製品ラインアップを一新、ILM実現目指す (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)