KCCSが丸善のIT子会社に出資、文教市場へ参入
2004/8/4
京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は丸善のITサービス子会社に出資し、学術・教育、図書館向けのシステム構築や医療システムの市場に参入すると8月3日発表した。大学向けなどの文教市場は少子化の影響でITベンダ間の競争が激化。丸善はネットワーク構築やセキュリティ技術など競争力の強化を考えていた。一方、KCCSは事業の拡大を目指し、文教や医療の市場に関心を持っていたといい、両社の思惑が合致した形だ。
丸善 代表取締役社長 村田誠四郎氏(左)とKCCS 代表取締役社長 森田直行氏 |
KCCSは、丸善のITサービス3社が統合した後の新会社「丸善システムインテグレーション」に出資する。新会社はKCCSの出資後に社名を「京セラ丸善システムインテグレーション」(KMSI)に変更する。KMSIの出資比率は60%で、丸善が33億円でKCCSに株式を譲渡する。
丸善のITサービス子会社がこれまで手がけてきたのは、大学向けの図書館情報システムや医療の会計システム、出版システムなど。だが、丸善 代表取締役社長 村田誠四郎氏によると、大学など丸善の顧客はITをより経営に生かしたいというニーズが強く、「ソリューションの強化が急務になっていた」という。村田氏はKCCSの出資を受けることで「ネットワークやセキュリティ、モバイル分野が強化でき、ソリューションを補強できる」と説明した。
一方、KMSIを傘下におさめるKCCS 代表取締役社長の森田直行氏は「総合的なITサービスを提供できる」と語った。文教市場や医療市場などに顧客が広がることになり、売り上げの増加が期待できる。丸善のITサービス子会社が手がけてきたアウトソーシング事業や、丸善グループ自身の業務をアウトソーシングすることも検討する。
KMSIは2004年10月1日に発足予定。2005年3月期に107億円の売上高を見込んでいる。
(編集局 垣内郁栄)
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京セラコミュニケーションシステムの発表資料
丸善の発表資料(PDF)
丸善システムインテグレーション
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