買収進むセキュリティベンダ、チェック・ポイントの場合は?

2004/8/19

 セキュリティ業界で活発な企業買収が行われている。シマンテックは2003年だけで3社を買収。ジュニパーネットワークスはネットスクリーン・テクノロジーズを買収した。ただ、買収した企業の技術を自社製品に統合するのはなかなか難しい。2004年3月末にZone Lobsの買収を完了させたチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズのVPNソリューションズ・マネージャー ダン・サレル(Dan Sarel)氏がZone Lobsを統合したうえでのチェック・ポイントのロードマップを説明した。

チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズのVPNソリューションズ・マネージャー ダン・サレル氏

 チェック・ポイントはすでにZone Lobsのファイアウォール統合管理製品「Zone Labs Integrity」を出荷している。Zone Labs IntegrityはクライアントPCにインストールしたパーソナルファイアウォールを統合管理できる製品。ポートスキャンからPCを隠したり、不正なアプリケーションのブロックなどの機能がある。ポリシーベースでダイナミックにPCのファイアウォール設定を変更できる。サレル氏によるとZone Labs Integrityは米国で「25万台のクライアントPCをサポートしている」という。

 チェック・ポイントが2004年5月に出荷開始したWebセキュリティ・アプライアンス「Check Point Connectra」もZone Labsの技術を採用している。サレル氏によるとその技術は「Integrityクライアントレス・セキュリティ」で、Webアプリケーションを利用する際に問題となるトロイの木馬や攻撃、不正プログラムがクライアントPCに侵入していないかをチェックする。

 また、チェック・ポイントは8月11日、クライアントPCのセキュリティ保護とVPNの機能を提供する新ソフト「Check Point Integrity SecureClient」を米国で発表した。チェック・ポイントの従来の技術とZone Lobsの技術を組み合わせた製品で、ポリシーを設定し、複数のクライアントPCのファイアウォール機能や不正アクセス防御機能を統合管理できる。チェック・ポイントではZone Labsの技術を主要な製品に取り込んでいく考えで、買収効果を早急に出すことを狙う。

 チェック・ポイントはIPv6のサポートにも注力する。チェック・ポイントは2002年以降、ファイアウォール製品のIPv6サポートを進めてきた。IPv4とIPv6の統合的なセキュリティ管理やロギングに対応。今後は「Application Intelligence」や「Web Intelligence」などチェック・ポイントが持つセキュリティ技術のIPv6対応を進める考え。IPv6トンネリングのセキュリティ強化も取り組む。

 サレル氏はIPv6について「米国防総省などIPv6のサポートを調達の条件とする案件が増えてきた」として「IPv6技術で先行する日本の企業と製品の共同研修を行って、製品を開発したい」と述べた。

(編集局 垣内郁栄)

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チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズの発表資料

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