扇風機があるデータセンターはイヤ、HPとNTTファシリティーズ

2004/8/27

 日本ヒューレット・パッカードとNTTファシリティーズは8月26日、データセンターの電源、空調システムなどファシリティの構築事業で提携したと発表した。サーバ台数の増加やプロセッサの高性能化でサーバの消費電力や発熱量は増えている。両社は企業に対して適切な電源インフラや空調システムをワンストップで提供し、企業が抱える問題を解決するとしている。データセンターやサーバルームの扇風機は消えるだろうか。

日本HPのテクノロジーソリューション事業統括 常務執行役員 石積尚幸氏

 サーバはタワー型やラックマウント型から、より集積化が可能なブレードサーバへの注目が高まっている。HPによると1平方メートル当たりのプロセッサ搭載数は、タワー型の場合で2〜4個、ラックマウント型で84個、ブレードサーバで160個に上る。2001年当時、84個のプロセッサを搭載したラックマウント型サーバの総消費電力は8316W、1時間当たりの総発熱量は7155キロカロリーだったが、160個のプロセッサを搭載した最新のブレードサーバでは総消費電力が2万8479W、総発熱量が2万4510キロカロリーに増加。プロセッサ当たりの発熱量がアップし、集積化も進んだことで消費電力、発熱量が約3倍に増えた。

 日本HPのテクノロジーソリューション事業統括 常務執行役員 石積尚幸氏はデータセンターの現状について 「ITシステムに加え、電源・空調・耐震・落雷などに対する最適なファシリティとの統合による信頼性の高いシステム提案が必要」と指摘したうえで「日本HPとNTTファシリティーズがトータルなお手伝いをする必要が出てきた。これから伸びていく中小規模企業を含めて、サポートを提供したい」と述べた。NTTファシリティーズの営業本部 常務取締役 池辺裕昭氏は「システムばかりに目がいって土台を見逃すケースがある。ファシリティに関する担当者がいない企業に、両社のワンストップサービスをアピールしたい」と話した。

 両社はデータセンターの構築についての共同マーケティングやプロモーションを展開する。Webサイトを開設し、セミナーなども開催するという。また、専用のコールセンターを開設し、データセンター構築に関する質問を受け付ける。両社の技術者同士の連携も強める。

(編集局 垣内郁栄)

[関連リンク]
日本ヒューレット・パッカードの発表資料
NTTファシリティーズ

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