SANスイッチのOEM販売が好調なブロケード、CEOの次の戦略は

2004/9/8

 ブロケード コミュニケーションズ システムズは9月7日、プレス向けに同社の業績や市場状況などを発表した。米ブロケードの会長兼CEO グレッグ・ルイス(Greg Reyes)氏は、「2004年は、ユーティリティ・コンピューティングと情報ライフサイクルマネジメントのニーズが高まり、これまでメインフレームやDAS(サーバ直結型ストレージ)を利用していた企業を中心に、ネットワークストレージへの移行が進む」と述べ、ネットワークストレージ市場の拡大を予測した。

米ブロケード コミュニケーションズ システムズ 会長兼CEO グレッグ・ルイス氏

 ブロケードが力を入れているのは、7月7日に発表した「SilkWorm Multiprotocol Router」。ファイバチャネル・ルーティングのほかに、ストレージの長距離接続を可能にするFCIPトンネリングやiSCSIゲートウェイをサポートするマルチプロトコル対応製品だ。ブロケードは、パートナー関係にあるストレージ管理ソフトベンダへのOEM販売をさらに強化する考えで、ルイス氏は「OEMパートナーのストレージ管理アプリケーションとともに、この製品がストレージ市場の『インテリジェント・スイッチ・プラットフォーム』となっていくだろう」と自信を語った。

 ブロケード 代表取締役社長 津村英樹氏は「IDC Japanの調査によると、2003年のSANスイッチの国内市場でのブロケードのシェアは収益ベースで70%、ポートベースでは79%で、圧倒的なシェアを占有しているとレポートされている」と述べた。津村氏は「OEMパートナーはIBM、ヒューレット・パッカード、EMC、デルのほかに、国内メーカーの富士通、日立製作所、NECなどが名を連ねる。ブロケードの国内シェアのうち、ポートベースで90%がOEM販売によるものだ」と話し、OEM戦略の成功をアピールした。

 ブロケードはOEM提供の幅をさらに拡大し、ブレードサーバ向けの組み込み型のSANスイッチに注力する方針。ルイス氏は、「IBM BladeCenter向けのSANスイッチはすでにOEM提供を開始しているが、2005年前半にさらに2社にOEM提供する予定だ」と語った。

(編集局 富嶋典子)

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