MSがOfficeのソースコードを開示、政府機関向けに

2004/9/22

 米マイクロソフトは9月20日(米国時間)、同社の政府機関向けソースコード公開プログラム「Government Security Program」(GSP)を拡大し、「Microsoft Office 2003」のソースコードや技術情報を政府機関向けに開示できるようにすると発表した。Officeはオフィススイートで圧倒的なシェアを誇るが、オープンソースソフトの「OpenOffice.org」や、サン・マイクロシステムズの「StarSuite」などが価格の安さやセキュリティの高さをアピールし台頭してきている。マイクロソフトはOffice 2003のソースコードを開示することで、セキュリティ対策を重視する政府機関のつなぎとめを狙う。

 マイクロソフトはGSPを2003年1月に開始。情報システムのセキュリティ対策を行う政府機関を対象に、同社製品のソースコードや技術情報を無償で開示してきた。これまで「Windows 2000」「Windows XP」「Windows Server 2003」「Windows CE」のソースコードを公開。すでにオーストラリア、中国、ノルウェー、ロシア、英国など30カ国以上がGSPに参加している。Office 2003のソースコード開示についても英国が参加を表明した。

 GSPに参加する各国の担当者はマイクロソフトの開発施設を訪問し、製品のソースコードについての説明を受けたり、開発のテストを行うこともできる。マイクロソフトの開発者と意見交換することも可能となっていて、マイクロソフト製品を使って政府機関の情報システムを構築する際のセキュリティ対策に、得られた情報を生かす。

 マイクロソフト日本法人によると、日本政府はGSPへの参加を検討している段階。近く米マイクロソフトのTrustworthy Computing最高責任者 スコット・チャーニー氏が来日する予定で、各省庁の担当者との意見交換の場でなどで、セキュアな情報インフラを構築するための提案の1つとしてGSPの説明を行うとみられる。

(編集局 垣内郁栄)

[関連リンク]
米マイクロソフトの発表資料(英語)

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