性能2倍で価格は据え置き、「UltraSPARC IV」搭載新サーバ

2004/10/8

サン・マイクロシステムズ 代表取締役社長 ダン・ミラー氏

 サン・マイクロシステムズは10月8日、「UltraSPARC IV」プロセッサを搭載したエントリクラスの最上位サーバ「Sun Fire V490」と「Sun Fire V890」を発表した。新製品に搭載する「UltraSPARC IV」は1プロセッサにつき2つの実行スレッドを持つ。同社がサーバのパフォーマンス性能の向上を狙う技術として提唱している「チップ・マルチ・スレッディング(CMT)」技術が実装されており、「UltraSPARC III Cu 1.2GHz」と比較すると、約1.8倍のスループットとなる。同社では「同じCPU数で比較した場合、従来モデルの約2倍の価格対性能比を実現している」とする。

 CMT技術を実装したSPARCプロセッサのアーキテクチャは、現行の「UltraSPARC III」および「UltraSPARC IV」からコードネーム“Niagara”、コードネーム“Rock”へと進化し続ける予定。CMTによる実行スレッド数を拡張することでスループットの向上を図るとともに価格を前モデルと同等に設定し続けることで、価格対性能比の高さをアピールしていく。サン・マイクロシステムズ 代表取締役社長 ダン・ミラー(Dan Miller)氏によると「以前のSPARCが、何人もの乗客を乗せて走るバスだとすれば、AMDのOpteronはスポーツカーといったところ。コードネーム“Rock”は両者の特徴を合わせ持ったプロセッサであり、例えていうなら新幹線だ」とCMTを実装したSPARCの将来像を話した。

 今回発表した「Sun Fire V490」および「Sun Fire V890」は主に、アプリケーション・サーバの実行プラットフォームでの用途を想定している。Sun Fireシリーズの特徴として、バイナリ互換が保たれていることから、再コンパイルすることなく既存のアプリケーション資産をそのまま継承することができる。

 なお、Sun Fireシリーズは2006年をめどに富士通のUNIXサーバ「PRIMEPOWER」と統合する予定。現在両社は共同で次世代SPARCアーキテクチャによるUNIXサーバ「Advanced Product Line(APL)」を開発している。

(編集局 谷古宇浩司)

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サン・マイクロシステムズの発表資料

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