グーグル創設者が「Googleの噂」に答える

2004/10/19

 米グーグルの創設者で技術部門担当社長のサーゲイ・ブリン(Sergey Brin)氏と、同じく創設者で製品部門担当社長 ラリー・ペイジ(Larry Page)氏が来日し、10月18日に会見を開いた。両者はグーグルが2004年4月に開設を発表した「Google東京研究開発センター」について「研究開発センターを設立でき、特にうれしく思う。日本で新商品を開発し、後に米国で利用されるようにしたい」(ブリン氏)、「日本の技術、人材に期待している。研究開発センターの創設で日本でのプレゼンスを高めたい」(ペイジ氏)などと述べ、期待の高さを示した。

米グーグル 共同創設者で技術部門担当社長のサーゲイ・ブリン氏(左)と同じく共同創設者で製品部門担当社長のラリー・ペイジ氏

 ブリン氏は研究開発センターに期待することとして2バイト言語に対応した新商品や、アジアの諸言語に対応した商品、モバイル関連の新サービス、ブロードバンドを生かした技術の開発などを挙げた。特に携帯電話のインターネット機能に対応した新サービスの開発には期待していて、ブリン氏は「携帯電話の機能にはまだ改善の余地がある。日本のスタッフがそのことをよく考えてくれるだろう」と述べた。

 また、2バイト言語に対応した新商品の開発についても、「2バイト言語の検索には(言語、文化などに応じて検索結果を変更する)セグメンテーションに問題がある」と述べ、日本での開発成果を中国語、韓国語などほかの2バイトの言語に拡大する考えを示した。検索ボックスに入力されたキーワードを認識し、誤っていると考えられる場合に正しいキーワードを示す機能についても「取り組んでいく」とした。

 グーグルの収益源は検索キーワードによってテキスト広告を表示するアドワーズ広告やアドセンス広告。ペイジ氏は広告関連のビジネスについて「われわれにとってよいビジネスモデルになった」と語った。ペイジ氏は「広告のビジネスはまだまだ先が長い」と述べ、今後も新サービスを開発していく考えを示した。

 グーグルは10月14日にPC内のファイルを検索できる「Google Desktop Search」のベータ提供を開始した。ブリン氏は「できるだけ早く国際化をしたい」と述べ、インターフェイスの日本語化を早期に行う考えを示した。PC内の検索ついてはマイクロソフトなどほかのベンダも取り組んでいるが、「Google Desktop Searchは素晴らしい。軽いし、さまざまな機能がある。これからは改善を続けるだけ」と述べて、先行者としての自信をみせた。Web検索についても「グーグル参入時に日本市場ではYahoo! Japanが高いシェアを取っていたが、われわれは成功してきている。今後もシェアを伸ばせると思う」(ペイジ氏)と述べた。書籍の本文検索サービス「Google Print」についても日本での開始を検討しているという。

 グーグルについては、「gbrowser.com」のドメインを取得したことなどから、新しいWebブラウザを開発しているのではないか、との指摘がある。ペイジ氏は「Webブラウザの機能をよくするためにGoogleツールバーのようなアドオンを追加することはあるが、ブラウザを最初から作り直すことはない」として、否定した。

(編集局 垣内郁栄)

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