テスト工程の管理という解答、エンピレックス
2004/11/3
エンピレックス副社長 山岡英明氏 |
ソフトウェア開発プロジェクトにおけるテスト工程に注目が集まっている。小さな成果物を作成しながら、プロジェクトの各段階で不具合を修正していくという反復型開発手法が評価され始めたことが背景にある。クライアント/サーバ型の業務システム開発案件からECサイトを始めとしたWebアプリケーションシステムの開発案件が増加したというIT業界のビジネストレンドの変化が、開発手法に影響を与え、開発手法の重要要素として、テスト工程にスポットライトが当てられているというわけだ。
実際、システム・インテグレータなどにシステム開発を依頼した顧客企業からは「(開発した)システムの性能がうまく出ない」という声が出ており、システム・インテグレータからは「プロジェクトそのものが失敗する」といった悲痛な声を聞くことができる。開発プロジェクトを成功に導くには、高品質なテスト工程の実施と管理が重要である。この事実に間違いはないようだ。しかし問題は、質の高いテストの実施とその管理を実現するのは容易ではないということにある。
エンピレックスの副社長 山岡英明氏によると、同社の顧客がソフトウェア・テストで抱えている問題は4つあるという。すなわち、(1)Webアプリケーションの回帰テストがうまくまわらない、(2)テスト効率が上がらない、(3)テストの再利用化が行えない、(4)テストの進ちょくおよび結果があいまい、の4点だ。これらの問題点は、実はテストの自動化ツールを導入するだけでは対応できない。「全テストのライフサイクルを管理できるツールが必要である。また、ツールだけではなく、アプリケーションの性能管理を行うガイドライン(手法)を確立する必要もある」(山岡氏)。
同社は2005年初頭を目処に、テスト工程管理に特化した専用ツール「e-Manager Enterprise」をリリースする。このツールは、機能テストツールや負荷テストツールなどが行うテスト工程全般をアプリケーションのライフサイクルに沿って管理する製品である。テスト工程のすべてをドキュメント化したり(テスト結果の実行履歴の保持など)、テスト資産のレポジトリでの保管、テストチームと開発チームの工程を統合するなど、煩雑になりがちだったテスト工程の状況を把握することができる。あくまで管理ツールなので、テストツールであればどのベンダの製品でも対応する。5人同時ユーザーのライセンス料は「100万円程度の予定」(山岡氏)で、競合製品と比較しても「圧倒的なコストパフォーマンスを実現している」という。不具合追跡の管理モジュールだけを切り出してリリースする計画もあり、この場合は5同時ユーザーで50万円程度を見込んでいる。
同社では「e-Manager Enterprise」のリリースと同時に、テストツールのスイート製品の最新バージョン「e-Test 8.0」もリリースする予定。このスイート製品には、機能/リグレッションテストツール「e-Tester 8.0」やシステムレベルの負荷テストツール「e-Load 8.0」のほか、「e-Manager Enterprise」も含まれる。
(編集局 谷古宇浩司)
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