NAS、エントリサーバで「デルとガチンコ勝負」、HP
2004/11/19
日本ヒューレット・パッカード(HP)は11月18日、サーバ製品群「HP ProLiant ファミリ」を拡充し、x86サーバのエントリモデル新製品の販売を開始すると発表した。従来より、ストレージサーバ製品として販売してきたNAS(Network Attached Storage)製品群を、通常のサーバブランドである「ProLiantブランド」に統合し、NASサーバシェアの拡大を目指す。
日本HPのインダストリースタンダードサーバ製品本部 ビジネスプランニング部 部長 橘一徳氏 |
HPによると、一般的にx86サーバの用途の半分以上はファイルとプリントサーバだという。ファイルとプリントサーバを構築するには、ファイルサーバとプリントサーバを別々に購入し、必要なソフトウェアも別途購入して構築する方法と、2つの機能をあわせ持つソフトウェアがインストールされているNASを購入する2とおりの方法がある。
別々に購入する場合、ソフトウェアのコストが多くかかることがある。例えば、Windows Storage Server 2003とプリントサーバを別々に購入して構築した場合、必要数に応じてClient Access License(CAL)が必要となる(プリントサーバがWindowsサーバであれば、そちらでもCALは必要となる)。しかしWindows Storage Server 2003をインストールしたHPのNAS製品では、最初からユーザーライセンスは無制限となっているため、別途CALを購入する必要ない。そのため、価格面でHPのNASの方が有利だとしている、コスト面で有利だとしている。
HPでは、従来よりNASをストレージ製品として販売していたため、ファイル・プリントサーバ構築では、サーバとソフトウェアを別々に購入しているユーザーが多数を占めていた。そこでHPは、NAS製品を従来のストレージ製品ブランドから、スタンダードサーバのブランドであるProLiantへ移行し、シェア拡大を狙う。
また、ブランド変更に合わせて、エントリサーバ事業の強化も図る。同社では2003年より、大企業向け製品と中小企業向け製品を強化する「二極化戦略」を打ち出しているが、今回は特に中小企業向けのエントリサーバ事業を強化。新たに販売開始する「HP ProLiant ML150」は徹底的にコストを削減し、価格勝負でもライバル他社と争えるという。インダストリースタンダードサーバ製品本部ビジネスプランニング部部長の橘一徳氏はこの商品を、「エントリー部門で強さを誇っているデルを徹底的に意識した製品だ。この商品で、デルとガチンコ勝負できると考えている」と位置付けた。
日本HP テクノロジソリューション事業統括 エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 統括本部長 松本芳武氏 |
「HP ProLiant ファミリ」の新しい販売戦略では、新発売するML150などのエントリモデル製品は、同社のオンラインストアである「HP Directplus」を中心に販売。ミドルグレードはボリュームパートナーとの協業を中心に、ハイエンドはパートナーと直販を中心に販売していくという。今後は特にHP DirectplusなどのWebビジネスに注力し、エントリモデルを強化するとしている。
HPのテクノロジソリューション事業統括エンタープライズストレージ・サーバ統括本部統括本部長松本芳武氏は、「市場が必要としているディスク容量は急激に拡大している。NAS市場では、50万円以下のエントリモデルが出荷台数の50%を超えているため、この分野を強化したい」と現状を説明、「現在のHPのNAS市場シェアは18.7%だ。これを2005年内に市場シェア30%にしたい」と抱負を語った。
(編集局 大津心)
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日本ヒューレット・パッカードの発表資料
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