[Oracle OpenWorld開催]
相思相愛から片思い? サンとオラクルの20年
2004/12/11
米サン・マイクロシステムズのCEO スコット・マクネリ(Scott McNealy)氏は12月8日、米国サンフランシスコで開催中の「Oracle OpenWorld」で講演し、「サンとオラクルは20年間一緒にやってきた。今後も関係を続けていきたい」と述べ、パートナーシップの継続を強調した。
米サン・マイクロシステムズのCEO スコット・マクネリ氏 |
Oracle OpenWorldでは初日に米ヒューレット・パッカードの会長兼CEO カーリー・フィオリーナ(Carly Fiolina)氏が講演、2日目には米デルの会長 マイケル・デル(Michael Dell)氏が講演した。マクネリ氏は「(米オラクルCEOの)ラリー・エリソンがデル、インテル、レッドハットと何回言ってもオラクルのNo.1のパートナーはサンだ」と述べ、オラクルとサンの密接な関係をアピールした。
マクネリ氏がオラクルとのパートナー関係を強調した背景には、オラクルがさまざまなハードウェアベンダ、ソフトウェアベンダとの関係強化を進めていることがある。20年前のオラクルにとってサンは特別なパートナーだったが、オープン化が進んだ現在ではサンは数多くのパートナーのうちの有力な1社という位置づけだ。
また、オラクルが推進するグリッド・コンピューティングの基盤は必要に応じてサーバを追加するスケールアウト型のシステム構成が最適とされている。サンはこれまでサーバ内のプロセッサを追加することでシステムを拡張するスケールアップ型のSMPサーバでシェアを伸ばしてきた。マクネリ氏は「スケールアウトもスケールアップも両方をグリッド化するのがサンの戦略だ」と述べ、マルチスレッディング対応の新型チップ「Niagara」(コード名)を示して戦略をアピールしたが、オラクルが考えるグリッド中心の次世代コンピューティングとは、方向性の違いを感じさせた。
オラクルは12月6日、デル、EMC、インテルと共同でグリッド・コンピューティングのベストプラクティス確立と普及を図るコンソーシアム「Project MegaGrid」を設立すると発表した。Project MegaGridではデルのx86サーバを使って128ノードのグリッドを構築することを計画している。マクネリ氏はProject MegaGridについて「サンとオラクルは2003年12月、日本で開催された“Oracle World Tokyo”ですでに128ノードのグリッドを構築している。新しいコンソーシアムは日本でやったことを再現しようとしているようだ。幸運を祈る」と述べた。
一方、米オラクルのサーバーテクノロジー・ディビジョン担当エグゼクティブ・バイスプレジデント チャック・ロズワット(Chuck Rozwat)氏は、サンとの関係について「サンが提唱する“The Network is the Computer”はオラクルが考える仮想化と同じだ」としてサン、オラクルがビジョンを共有していることを説明。「サンをはじめ、ヒューレット・パッカード、デル、IBMはそれぞれのやり方でビジネスをしている。オラクルはそれぞれの会社に合わせるのではなく、戦略が合うところでパートナーとなっている」と語った。
サンにとって2004年4月にスタートしたマイクロソフトとのパートナーシップは将来へのよい材料だ。マクネリ氏はサンのLDAPサーバ、マイクロソフトのアクティブ・ディレクトリの連携を進めていることを説明し、「パワフルなパートナーシップとなった」と強調した。「マイクロソフトとは非常に早い段階から相互に尊敬の念を持つことができた。サン、マイクロソフトの協業は業界の大きな勝利となる」。
(編集局 垣内郁栄)
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